コタネツケバナ

アブラナ科 Brassicaceae
アブラナ科 Cruciferae
湿めったところで見られる茎が匍うタネツケバナ。2018年発表のコカイタネツケバナも同じものと言われる。
丈は3-16cm、茎は無毛で基部から分枝して地を匍い、先は立ち上がります。 根生葉はロゼット状にならない。 茎葉は無毛で中部の茎葉は5-11小葉からなり、無柄、頂小葉は広卵形~ほぼ円形で側小葉より少し大きく、鋸歯がある。
花は総状花序に付き、花弁のある花では萼片は楕円形で長さ2.1-2.2mm、花弁は白、ヘラ形、卵形~楕円形で長さ2.4-2.8mm、雄しべは6。 花弁のない花では、萼片は小さく、雄しべは4。 果柄は開出または斜上し、長さ1.0-4.5mm、長角果は直線的で長さ9.8-19.8mm、種子は褐色で楕円形または正方形に近く、周囲に狭い翼がある。

 近年は在来種の可能性が指摘されており、コカイタネツケバナの学名を用いた。この学名について、「日本の野生植物」では未発表とされているが、その後正式に発表された。なお、C. debilis や C. parviflora を用いると外来種の考えとなる。

 

2020.3.24 更新
  • 全体
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  • 葉2
  • 葉3
  • 群生
  • 種子
  • 種子2
  • コカイタネツケバナのスペック

コカイタネツケバナ

コカイタネツケバナの名で呼ばれる氾濫原で見られる型。しばしば花弁がないそうだが、河川敷に灌水は見られず、みんな花弁が見られた。(2020.2 茨城県 旧・水海道市)

コカイタネツケバナ-全体2

丈は概ね5cm程度。まだ咲き始めたばかりのようで、果実らしい果実は
見つけられなかった。 (2020.2 茨城県 旧・水海道市)

コカイタネツケバナ-全体3

このように大きくなった株では、根生葉は枯れて見つからない事が多いようです。
(2020.2 茨城県 旧・水海道市)

コカイタネツケバナ-花

雄しべは6。花弁はしばしば不等だった。ただし、花弁のないものは
見つからなかった。
(2020.2 茨城県 旧・水海道市)

コカイタネツケバナ-花2

花弁は萼片より少し大きい・・・そうですが、思ったより花弁は大きく感じた。
(2020.2 茨城県 旧・水海道市)

コタネツケバナ-実

果実はやや鋭角に斜上する印象ででした。
(2020.3 茨城県 旧・水海道市)

コカイタネツケバナ-葉

葉は5-11小葉からなり、頂小葉が少し大きい。
(2020.2 茨城県 旧・水海道市)

コカイタネツケバナ-葉2

葉軸も葉裏も無毛。
(2020.2 茨城県 旧・水海道市)

コカイタネツケバナ-葉3

若い株。ロゼットに見えますが、既に茎が横方向に伸び始めており、
矢印の3つだけが根生葉、それ以外は茎葉。 (2020.2 茨城県 旧・水海道市)

コカイタネツケバナ-茎

茎は下部も無毛で、基部から分枝し、更に分枝して地を匍って伸びていきます。
(2020.2 茨城県 旧・水海道市)

コカイタネツケバナ-群生

広い範囲を独占して群生しており、同じく咲き始めていたコイヌガラシ
圧倒していた。(2020.2 茨城県 旧・水海道市)

コタネツケバナ-種子

種子は長さ1mm弱。
(2020.3 茨城県 旧・水海道市産)

コタネツケバナ-種子2

種子は長方形に近いが中身は楕円形なので縁は翼状になった・・・という印象。
羽根つき餃子みたいなイメージ。(2020.3 茨城県 旧・水海道市産)

Bot. J. Linn. Soc. 187: 476-477 に掲載のコカイタネツケバナ (C. kokaiensis) のスペックを訳しました。
英語苦手なので、間違っていたらごめんなさい。

丈は3-16(-24)cm、茎は無毛で基部から分枝して、または分枝せずに地を匍い、先は立ち上がる。
根生葉はロゼット状にならない。
茎葉は3-7(9)個で無毛。
中部の茎葉は5-11(-13)小葉からなり、無柄、頂小葉は広卵形~ほぼ円形で長さ3.2-15.3(-20.6)mm、側小葉の(0.9-)1.0-1.5(-1.6)倍で1-5(-7)の鋸歯がある。
花は総状花序に付き、花弁のある花では萼片は楕円形で長さ2.1-2.2、幅0.6-0.8mm、花弁は白、ヘラ形、卵形~楕円形で長さ2.4-2.8、幅0.7-0.9mm、雄しべは6。
花弁のない花では、萼片は楕円形で長さ1.1-1.2、幅0.4-0.5mm、雄しべは4。
果柄は開出または斜上、長さ1.0-4.5(-5.2)mm、長角果は直線的で長さ9.8-19.8mm、種子は褐色で楕円形または正方形に近く、周囲に狭い翼がある。
染色体は2n = 4x = 32