ワサビ

アブラナ科 Brassicaceae
アブラナ科 Cruciferae
和食の食卓にかかせない「わさび」ですが、日本にのみ自生します。
丈は20-40cm。茎は下部ではやや斜上気味に伸びることも多い。根生葉は大きく6-12cm。円形で基部は心形、光沢があり、縁には波状の鋸歯が見られ、柄の下部の幅が広い。茎葉は小さくまばら。
花は短い総状に付き、花弁は6mm、花の基部に葉状の苞が見られます。果実は長角果で1.5-1.7cm、数珠状にくびれる

 

2016.4.24 更新
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  • ワサビの辛み成分

ワサビ-全体

湧き水の流れる小さい沢沿いなどでよく見られます。ただし、栽培ものくらいに根が太くなるものは、ほぼ望めない。(2011.5 栃木県那須町)

ワサビ-全体2

自生でもあるところにはあるもので、びっくりするほど沢山ありました。
(2011.4 長野県茅野市)

ワサビ-花

花は比較的まとまって咲きます。
(2016.4 長野県辰野町)

ワサビ-花2

(2015.5 新潟県 旧・松之山町)


ワサビ-花3

(2015.5 新潟県 旧・松之山町)


ワサビ-葉

葉は大きな心形で葉脈が細かくて目立ち、艶もあります。フチに緩い波状の鋸歯が
あります。上部の茎葉は三角状で先がやや尖ります。(2008.5 上高地)

ワサビ-葉3

茎葉は小さく、円心形~三角状卵形。
(2016.4 長野県辰野町)

ワサビ-葉4

花が咲く前の状態。 大きな株なので、根は太くなっているかも・・・。
(2011.3 長野県茅野市)

ワサビの辛み成分は、アリルイソチオシアネートという揮発物質で、実は大根おろしの辛み成分と全く一緒です。

ダイコン自信にはアリルイソチオシアネートは含まれていません。が、ダイコンをすり下ろすことにより細胞が破壊され、「大根中の別々の場所に存在していたイソチオシアネートの前駆物質であるシニグリン(グルコシノレート=芥子油配糖体の1つ)とミロシナーゼと呼ばれる酵素が、細胞が壊れることにより混ざりあい、イソチオシアネートを生成する化学反応を起こすことによる。」(Wikipediaより引用し、筆者が「シニグリン」を挿入加筆) だそうです。

わさびも全く同様の化学反応によってアリルイソチオシアネートを生成します。従ってワサビをかじっても全く辛くはなく、シニグリンの苦みを感じます。丁寧にすり下ろさないと辛みが減じられるのはこの化学反応がおこりにくくなってしまうためです。なお、ワサビとダイコンでは味がかなり異なりますが、他の成分による違いです。

このシニグリンはアブラナ科植物に多く含まれており、モンシロチョウの幼虫はこの物質を多く含む植物を食べて育ちます。
また、アリルイソチオシアネートはO-157などに対する抗菌作用があることもよく知られており、食中毒の予防に効果があります。血小板の凝血活性阻害効果(脳梗塞や心筋梗塞の予防)、辛み刺激による唾液分泌促進(食欲増進、消化促進効果)も認められています。さらにイソチオシアネート物質は発がん抑制作用が知られており(フェニチル化合物等)、がん細胞をアポトーシス(管理・予定された細胞の自殺)させる物質として期待されています。
なお、アリルイソチアネートは動物にとっては有害になる場合があり、ペットなどに与える場合は獣医と相談してください。

モンシロチョウを見習ってアブラナ科野菜をいっぱい食べて脳梗塞やガンを予防しよう・・・ということがこのページの結論でしょうか。

セイヨウワサビ・・・のページに、「ワサビ」の商品表示方法等を記述していますので、そちらもご覧下さい。