ムクゲアカバナ (ススヤアカバナ)  

アカバナ科 Onagraceae
比較的最近に渡り鳥により自然帰化したと考えられる種。
丈は0.8-1.4m。全体に開出した毛が非常に多く、茎や葉の両面に密生し、灰緑色に見えます。茎は固く、基部は半ば木質化します。葉は長楕円状被針形、先端は尖り、基部は円形、茎は抱きません。
花柱先端は4裂し、それぞれ棍棒状で直立しますが、接して付いて1つに見えることが多い。

 ススヤアカバナの名が付けられたサハリン産の標本がエゾアカバナと判明したため、ムクゲアカバナと改名された。(日本の野生植物3)

※2 千葉県の自生記録がなかったため、2014年の写真のものについては、2014.7 千葉県立博物館にて本種であることの確認をいただきました。

 

2019.7.25 更新
  • 全体
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  • 花3
  • 花4
  • 実2
  • 葉2
  • 葉3
  • 茎2
  • 千葉県の自生
  • 発見の経緯

ススヤアカバナ-全体2

今回千葉県内でみつけたもの。2年目と思われる大きいものは30株ほどあり、
そのまわりに1年目と思われるものが50株以上見つかりました。(2014.7 千葉市)

ススヤアカバナ-全体2

2015年のシーズンは周囲の田んぼに拡がって100株以上見られました。周囲には
ノダアカバナも沢山見られました。(2015.8 千葉市)

ススヤアカバナ-全体3

茨城県の標本地付近のもの。狭い範囲で100株以上あり、他の休耕田と異なる様相を
していました。(2014.7 茨城県東海村)

ススヤアカバナ-全体4

上部でよく分枝し、上部の側枝は横に伸びる傾向が見られました。
(2014.7 千葉市)

ススヤアカバナ-花

花の大きさは普通のアカバナと変わりはないように感じました。
(2014.7 千葉市)

ススヤアカバナ-花2

萼や子房の外側に短毛が多く見られます。
(2014.7 千葉市)

ススヤアカバナ-花3

柱頭は4裂で裂片は棍棒状。葯が裂開する前でははっきり確認出来ました。
(2018.8 千葉市)

ススヤアカバナ-花4

柱頭に花粉が付いてわかりにくくなっている状態。
(2016.9 千葉市)

ススヤアカバナ-実

果実には4稜が・・・というより、4つの柱状のものを束ねたような形。
果実には毛が多い。(2015.8 千葉市)

ススヤアカバナ-実2

8月中旬頃にもう種子がはじけていました。
(2014.8 千葉市)

ススヤアカバナ-葉

葉は長楕円状被針形。先は尖り、基部は円形でごく短い柄があるようにも見えました。
茎は抱かない。(2018.8 千葉市)

ススヤアカバナ-葉2

葉表。毛が密生して灰色がかって見えます。
(2017.8 千葉市)

ススヤアカバナ-葉3

葉裏全体に毛が密生。葉脈の毛はやや長い。
(2014.7 茨城県東海村)

ススヤアカバナ-茎

短毛とそれよりやや長い毛が密生しています。
(2017.8 千葉市)

ススヤアカバナ-茎2

大きな株は基部で枝を分け、基部は半ば木質化しています。
(2014.7 茨城県東海村)

ススヤアカバナ-春

(2015.4 千葉市)



「千葉市」と記載したものについては、過去に千葉県内で本種の自生記録がなかったため、地元保護団体を通して千葉県立博物館に同定を依頼しておりましたが、同博物館でも本種と確認した旨、連絡を頂きました。茨城・富山・石川に続き4県目となります。

茨城・千葉両方の共通点からこの植物の自生環境を類推すると・・・

・休耕田であること
・日当たりが良いこと
・雨が降ると浸水するけれど、水が引けば多少ぬかるむ程度の場所であること

などが上げられます。(2014.7.25)

その後、千葉県内の以下の地点で確認されています。
 千葉市内4カ所、八千代市、佐倉市、成田市、栄町
これらの場所はいずれも東京湾口-千葉市-鹿島灘を結ぶ関東平野の風の通り道にあり、渡りをする水鳥によって拡散していると思われました。

いずれの場所も、同所的にアカバナ、ノダアカバナもよく見られます。
(2019.7)




この件は、2015.2.25 発刊の千葉県植物詩資料29 に掲載されましたが、おそらく紙面の都合で記述の一部に不足があり、この件で大変お世話になりました茨城県植物研究会のN様の件が記載されておりませんので、ここに改めて経緯を紹介させて頂きます。

2013.9 千葉市内で基部が木質化し、主茎がとても太くて見たことのない姿の枯れた植物を発見。果実の裂けた跡から、正体不明なアカバナ属の不明種とした

2013.5 アカバナ不明種の生育を確認。茨城植物研究会N様よりススヤアカバナの概要を入手(茨城県植物分布ノート(1) 阿嶋隆 茨城県植物研究2 55-56(2009))

2014.7.14 開花を確認、詳細撮影。

2014.7.17 N様の案内で、茨城県東海村の自生地を見学、詳細撮影し確信を持つ。

2014.7.18 千葉市内の自生地の観察会、保存会に同行を求め、同会経由で県博に報告し、再同定を依頼。

2014.7.26 同博物館より本種と同定されたと報告を受ける

県博の同定にご尽力頂いた加曽利観察会の皆様にも厚く御礼申し上げます。