イヌノフグリ Veronica polita var. lilacina


イヌノフグリ

分類
オオバコ科 クワガタソウ属
植生環境
里 山地
開花時期
3-5月 草地 石垣 明るい林床
地域
関東以西
特記
絶滅危惧2類
特徴
かつはて普通みられたそうですが、外来種に負けて急激に減少してしたと言われる種。
丈は10-25cm、根本付近で枝を分け、地を匍って拡がります。葉は下部では対生、上部では互生し、卵円形、数対の鋸歯があって両面に微毛があり、短柄が見られます。
花は葉腋に付き、赤紫色で3-4mmほどと小さく、まばらに咲きます。果実は名の由来になった形で、球形を2つ繋いでやや平たくした感じです。
付記
本種の減少の主たる要因はよく言われる外来種の侵入ではなく、環境要因と思われます。中でも、道路の舗装化によって失われたものが非常に多いと想像されます。
備考
エングラー : ゴマノハグサ科
類似種
オオイヌノフグリ : 全体に大きく、特に花が径1cmと大きい。
撮影地
2013.4 千葉県市川市  他

イヌノフグリ

見られる環境はオオイヌノフグリよりタチイヌノフグリに近く、意外と住家の傍に多く見られ、町中でも、砂利引きの駐車場や縁石とアスファルトの間、コンクリートの擁壁の隙間、鉄道線路の古い敷石などで見られました。これらの場所は種を維持することが困難な場所であり、メンテナンス等でいずれ絶えてしまうと思われました。 (2013.4 千葉市)


イヌノフグリ

花はオオイヌノフグリなどより遙かに小さく、赤紫色で径3-4mm、タチイヌノフグリの花と同じくらい。葉は下部では対生、上部では互生、茎には曲がった毛が見られました。 (2016.2 千葉市)


イヌノフグリ

他よりひとまわり小さいのが下側の裂片。他の裂片も基部は白く、先端は淡いピンク。 上側の裂片は濃い赤紫色の線状の斑が目立ち、色が濃く見えます。花冠基部は毛のようなもので塞がれていて上から子房は見えない。 (2013.4 千葉市)


イヌノフグリ

名の元になった姿。良く見ると、左右に分かれた果実の中央にも線状の窪みが見られます。果実が熟すとここが裂けて種子を散らします。 (2013.4 千葉市)