タイアザミ

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キク科 Compositae
キク科 Asteraceae
関東では普通に見られるアザミ。
丈は1-1.5mくらい、葉はふつう羽状深裂し、長く鋭い刺が見られます。茎は抱きませんが、僅かに抱くものもある。
頭花は横~下向きに咲き、柄は短く、単生または2-3個集まって付きます。総苞は鐘形~筒形、総苞片が長く伸び、開出し反曲します。クモ毛が多いものと少ないものがある。片の刺はナンブアザミより太くて長く、鋭い。総苞片は8-9列。腺体はないか、痕跡的。
名は「痛いアザミ」から来たと言われますが、定かではありません。
なお、Y-Listではナンブアザミの変種とされますが、国立科学博物館では独立種とされています。
また、トネアザミは中片と内片の腺体があり、本種から分けられ、ナンブアザミのsynonymとされるようになりました。

.上段は「日本の野生植物」による学名でトネアザミの型を含まない、下段ははY-Listでトネアザミを含む。

 

2017.2.13 更新
  • 全体
  • 花2
  • 全体2
  • 全体3
  • 花3
  • 葉4
  • コメント
  • トネアザミについて
  • 疑義

タイフザミ-全体
ナンブアザミより丈は小さく、せいぜい1-1.5mのようです。
「頭花は下向き」とありますが、見た目の印象では多くは横向き。
側枝は鋭角的。葉の裂け方はいろいろ。(2016.10 千葉市)

タイアザミ-花

総苞中・外片が反曲するもの。このあたりのものは、片は皆、9-10列程度あるようです。
ナンブアザミに比して片の先の刺が2倍以上長い。(2016.10 千葉市)

タイアザミ-花2

片があまり反曲しないもの。内片に腺体の痕跡のようなものが見られましたが、粘る印象はない。クモ毛は多くはうっすら程度で気づけないものもある。(2016.10 千葉市)

タイアザミ-葉

葉は羽状深裂するものが多いが、浅裂のものもあります。
(2016.10 千葉市)

タイアザミ-茎

葉はふつう茎を抱きませんが、少し抱くように見えるものもあります。
(2016.10 千葉市)

タイフザミ-全体

頭花が上向きで総苞片や葉の刺が更に鋭いもの。イガアザミに寄った印象。
(2012.11 千葉市)

タイアザミ-全体3

全体2と同じ型のもの。上部の葉は小さく、葉に厚みがあって刺もより鋭い。
(2012.11 千葉市)


総苞はふつうのタイアザミとあまり変わりがない。
(2012.11 千葉市)

タイアザミ-葉

下部の葉もふつうのタイアザミと変わらない。
イガアザミのような葉の刺々しさや厚み、光沢はない。(2006.9 千葉市)


本種は総苞片の開出の度合いや長さなど、地域によってかなりのバラツキがあります。
が、重要な識別キーである総苞片列数について、明確に記述されているものが私の廻りには見当たりませんでした。
この植物は関東ならどこにでもあり、たまたま埼玉を除く全県で撮影していたので数えてみましたところ、ほとんどが9-10列、希に8列のようでした。国立科学博物館のデータベースの写真を見ても、同様のようでした。

従って、関東のナンブアザミ亜節のものを総苞片列数で整理すると、以下のようになるのではと思います。

総苞片数 その他の特徴  
5-6(-8?)列 外片が短い オクヤマアザミ
7-8列 柄が長く、頭花は密集しない ナンブアザミ
(8-)9-10列 葉や総苞片の刺が太くて長い
花柄が短く、数個ずつ密集
タイアザミ
葉が厚く頭花が密集して付く (Ver.)イガアザミ
11-12列   シドキヤマアザミ


総苞片列数のカウントに用いた本種と思われる写真の撮影地域 : (9-10列) 群馬県南牧村 藤岡市 赤城山 栃木県栃木市 茨城県常陸大宮市 つくば市 千葉県千葉市 山武市 東京都八王子市 神奈川県秦野市 逗子市 (8列) 群馬県尾瀬 水上町
但し、この目的のために撮影したものではないため、全体の姿形が筆者のイメージする本種ばかりであり、種全体をカバーできていない可能性があります。




従来、トネアザミの名が正名で、タイアザミは別名として扱われていましたが、近年、タイアザミとトネアザミは異なるものとされています。

従来トネアザミとされていたものの多くは、今後タイアザミに含まれます。

トネアザミは、ナンブアザミの葉が羽状に深裂するものを差し、分類上はナンブアザミに含まれるようになりました。
尾瀬ガ原などで見られるアザミがトネアザミの形のナンブアザミに相当します。

なお、ナンブアザミの学名は、先に出された以前のトネアザミの学名が適用されることとなり、Cirsium tonense となりましたので、今後注意が必要かと思います。

だいぶ以前
Y-List
科博HP
(参考)
新説
ナンブアザミ
C. makinoi
ナンブアザミ
C. nipponicum
キタアミアザミ
C. nipponicum
キタカミアザミ
C. nipponicum
ナンブアザミ
C. makinoi
ナンブアザミ
C. tonense
トネアザミ
C. tonense
トネアザミ
C. nipponicum
var. incomptum
トネアザミ
C. incomptum
タイアザミ
?
タイアザミ
C. incomptum

 新説は新日本の野生植物に掲載のもの。科博HP、新説はいずれも科博・門田裕一博士によるもので、新説はHP記載後に門田氏自身が見解を変更されたものです。



タイアザミ-疑義

腺体が生きているのではないかと思われたもの。痕跡的な一群の中で見られた。
ナンブアザミとの雑種かもしれないが、付近では見られない。(2019.10 千葉市)