セイヨウタンポポ

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キク科 Compositae
キク科 Asteraceae
単為生殖するので、在来のタンポポよりよく増えます。花期も長く、真夏の暑い時期を除いて春~秋まで咲き続けます。
総苞中片、外片の両方が開出し、外片が反り返るのが特徴です。外片と中片はほぼ同長で内片はやや長い各片ともに線状被針形~広線形で突起はありません。
夏も休眠をせず、周囲の草丈が高くなって陽当たりが悪くなると枯れ死します。

在来種と交雑したものが圧倒的に多く、これらも片は開出するものが多く、総苞中・外片ともに開出しても本種とは限りません。交雑のものは、本種より外片の幅が広い、内片がやや長い等のものがあり、さらには、外片のみ開出する、全く開出しないなど多様。純粋の本種は多くない。(アイノコセイヨウタンポポ参照)
また、果実が灰褐色のものが本種、赤味の強いものはアカミタンポポと呼ばれます。

 

2017.2.20 更新
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  • 花3<参考>
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  • 交雑について
  • 弱点

セイヨウタンポポ-全体

関東では、車の通る道沿いは、ほとんどが本種か本種の交雑種である
アイノコセイヨウタンポポです。(2010.4 千葉県四街道市)

セイヨウタンポポ-全体2

千葉市内もご多分に漏れず、カントウタンポポと交雑したかその疑いのあるものが多い。
その事を知ったつい最近までは、全部本種だと思っていた。(2008.3 千葉市)

セイヨウタンポポ-全体3

(2014.4 千葉市)


セイヨウタンポポ

この年、突如現れた群生。田んぼ4枚を本種とホトケノザの外来種コンビで埋め尽くし、
見事な春の光景を演出していました。(2014.4 千葉市)

セイヨウタンポポ-風景

綿毛もまた春の風情。
(2014.4 千葉市)

セイヨウタンポポ-花

総包片は開出し外片は強く反り返り、中片も開出します。内片は中片と同長。突起はない。
(2006.9 千葉市)

セイヨウタンポポ-花2

多分、本種ではないかと思うもの。植物観察を始めて
まさか本種で迷う日が来るとは思わなかった。(2017.2 千葉市)

セイヨウタンポポ-花3

少し外片の幅が広いので、交雑履歴があると思ったもの。中片と内片の幅は
変わらないはずなので、アイノコセイヨウタンポポの可能性がある。(2017.2 千葉市)

セイヨウタンポポ-花4

総苞の幅や長さ、開出具合はほぼ本種に見えますが、各片に明瞭な突起があり、
交雑の履歴がある・・・アイノコセイヨウタンポポ・・・と思われるもの。(2017.2 千葉市)

セイヨウタンポポ-花5

花粉は1~3倍体まであって大きさにムラがあると聞いていましたが、くっいていしまっていて確認するのは簡単ではなかった。(2017.3 千葉市)

セイヨウタンポポ-蕾

本種と推定されるもの。突起がなく、カントウタンポポの蕾と比べると、違いは明らか。
(2015.4 千葉市)

セイヨウタンポポ-実

よく見えないので、手前だけ飛ばしてみました。
(2010.4 千葉市)

セイヨウタンポポ-実2

「タンポポの綿毛」は萼が変化したもの。幾何学模様で綺麗。
(2014.4 千葉市)

セイヨウタンポポ-種子

種子は少し白っぽい茶色。花床のピンホールは種子が刺さっていた跡。
(2015.4 千葉市)


セイヨウタンポポは種として取り扱われていますが、本来はこれ自体も雑種で、欧州の複数の種が交雑してできたものと言われています。セイヨウタンポポの学名T. officinale は欧州では"種"ではなく"節"のように扱われているもので、複数の種(雑種)を束ねたものです。日本で見られるセイヨウタンポポは、その雑種のうち、強力な繁殖力を持つ3倍体雑種の1つないし2つのようです。

極力な繁殖力と言われる所以は

・単為で無性生殖(=受粉を必要としない)することで、遠隔地でも単独で繁殖できる
・四季問わず開花し、多くの種子を作ることができる
・2倍体タンポポ(特にカントウタンポポ)に花粉を供給すると容易に交雑する

で、欧州でも様々な種と交雑しながら勢力範囲を広げていった種です。

セイヨウタンポポが交雑する場合、セイヨウタンポポは父種(花粉の供給側)であり、母種(受精側)にはなり得ません。母種は普通、カントウタンポポなどの2倍体タンポポに限られ、在来の3倍体以上のタンポポ(エゾ、ミヤマ、他)とは交雑しにくいと考えられています。

2000年、環境省によってタンポポの全国調査(身近な生きもの調査)が行われ、1000個体に近い数を採種したところ、8割以上は在来2倍体種との交雑であることが判明しています。以来だいぶたちますので、更に純粋なセイヨウタンポポは益々少なくなったかもしれません。
が、そもそもセイヨウタンポポ自体も雑種の1つの型、若しくは複数の型ですから、広い意味ではこの雑種もセイヨウタンポポの1つの型と捕らえることもできるように思います。

詳しくは・・・ 里のタンポポの見分け方 をご覧下さい。
交雑例は・・・ アイノコセイヨウタンポポ をご覧下さい。

 




 

強力な繁殖力を持つセイヨウタンポポといえども、在来種に勝てない弱点があります。

カントウタンポポなど在来の2倍体タンポポは暑い夏場は自ら葉を枯らして休眠しますが、セイヨウタンポポは休眠しません。従って夏でも花を付けます。
が、その強さがアダとなり、周囲の草丈が高くなると光が当たず光合成ができなくなって、夏を越せずに絶えてしまいます。
在来の2倍体タンポポは休眠中なので、光が当たらなくても生きていられます。

牧場や公園、都市部の道ばたのように絶えず草払いが行われている場所ではセイヨウタンポポは1年中元気でいられますが、ススキ原のような草原や林縁、草ボウボウの田舎道など、夏草が茂るような場所はセイヨウタンポポには適さず、カントウタンポポなど在来の2倍体タンポポが優位となります。

意外と棲み分けがされているのです。