里のタンポポの見分け方 2

2.外来種と在来種
その交雑

■ 外来種と在来種、その交雑

・まず自生環境ですが・・・

  自生環境 活動 生殖  
2倍体タンポポ 里山の草地 夏期は草陰で葉を枯らして休眠
夏も日向の場所はセイヨウに負ける
有性生殖 単独では絶えてしまう
遠隔地に自生域を広げるのは困難
セイヨウタンポポ 都市近郊の裸地 1年中光陽地で活動
夏に草陰になる場所は適さない
無融合生殖 単独でも増える
一気に遠隔地に自生域を拡げられる

※ 2倍体タンポポとは・・・
カントウタンポポ、シナノタンポポ、ヒロハタンポポ、カンサイタンポポ、オキタンポポ、ウスジロタンポポ の6種を指します

両者は意外と棲み分けていますが、在来の2倍体タンポポは自生地が造成などで壊されると、再生することは難しく、セイヨウタンポポの侵入を許す結果になります。


セイヨウタンポポと在来の2倍体タンポポは総苞片が開出するか否かで見分けることが良く知られていますが、実際は交雑種が多数あり、それほど単純ではありません。
交雑は、セイヨウタンポポの2倍体、3倍体の花粉が在来2倍体タンポポで受精して生まれます。(セイヨウタンポポの花粉には1-3倍体まであり、そのうち、多くは2倍体、時に3倍体の花粉が2倍体タンポポの1倍体の胚珠で受精して交雑が生じます)

交雑種1 (3倍体)
交雑種2 (3倍体)
交雑種3 (4倍体)
外片・中片は長楕円形で
突起あり、内片は中片・外片の2倍以上
各片の形はカントウと同じだが、内片が中片・外片とほぼ同じ長さかやや長い程度 外片が細くて反り返る
中片はカントウと同じ形だがやや緩く密着、開出することもある

全ての総苞片は細く、中片が内片とほぼ同じ長さ
外片は反り返り、中片は開出または反り返る

 
 
花粉は普通に多く見られます

花粉がほとんどないか少ない

花粉は普通に
多く見られます
花粉の大きさが揃う
(1倍体)
花粉の大きさにバラツキが見られる
1倍体の花粉は受精しない
花粉の大きさにバラツキが見られる(1-3倍体)
1倍体は受精しない


*1 アカミタンポポも同様です。

総苞の開出、反り返りだけではセイヨウタンポポとは言えず、総苞が反り返らない、開出しないものが在来種とも限りません。
最近の研究では、セイヨウタンポポと思われていたものの70-80%は交雑種であることが判ってきています。

これと同じことが、他の2倍体タンポポ(シナノカントウヒロハ等) と セイヨウタンポポの間でも起こります。
また、これら2倍体タンポポと、エゾタンポポシロバナタンポポ等の倍数体のタンポポの間でも交雑が起こっているはずです。

さらに、これらで作られた交雑種も倍数体ですから、更に在来2倍体種と交雑を起こします。
その結果、限りなく在来2倍体タンポポに似た3倍体の雑種タンポポもすでに存在しているかもしれません。

これらの交雑を、厳密に区別するのは容易ではありません。
従って、最低限、交雑を在来種と見間違わないようにし、交雑(4倍体)はセイヨウタンポポとしても致し方ないように思います。

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