ミョウギカラマツ

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キンポウゲ科 Ranunculaceae
アキカラマツの近縁種。
丈は50-70cm、岩場から斜上したり懸垂したりします。葉は2-3回3出複葉で小葉は楕円形で先が浅く3裂し、全体がやや白っぽく、葉表には青みがあり、葉裏の白さが目立ちます
花は集散状に付き、淡黄色、花糸は葯より細く、葯は淡黄色。萼は早落性。

: 岩手・青森のものについては、別種の可能性の指摘を受けています。

 

2017.8.8 更新
  • 全体
  • 全体2
  • 花2
  • 葉2
  • 葉3
  • 葉4
  • 以下参考
  • <岩手>
  • 葉2
  • <青森>
  • 葉2

ミョウギカラマツ-全体

岩場から垂れ下がるように咲いていました。
(2017.8 群馬県妙義山)

ミョウギカラマツ-全体2

果期の様子。
(2015.9 群馬県妙義山)

ミョウギカラマツ-花

アキカラマツとの差異はないように見えますが・・・。
(2016.8 群馬県妙義山)

ミョウギカラマツ-花2

葯隔の先端は突出します。
(2018.7 群馬県妙義山)

ミョウギカラマツ-実

(2017.8 群馬県妙義山)


ミョウギカラマツ-葉

葉表は青みがあります。
(2015.9 群馬県妙義山)

ミョウギカラマツ-葉

葉裏は確かにかなり白い。
(2015.9 群馬県妙義山)

ミョウギカラマツ-葉3

他にはない、微細な縞状の文様が見られましたが、これはなんだか判らない。
(2016.8 群馬県妙義山)

ミョウギカラマツ-葉4

裏表の差異。
(2016.8 群馬県妙義山)

本種は、環境省によれば、群馬県及び東京都にのみ自生する全滅危惧1A類となっています。

が、東北北部にはこれと非常によく似たものがありますので、参考としてご覧下さい。
以下、妙義産のものとの気づいた差異や、気になった点を記します。

・青森県白神山地のもの・・・まとまりがあるが、どれも葉表の青みがやや弱い。葉裏はかなり白く、葉軸も白い。小葉がやや縦長になる傾向があり、葉裏に微腺毛と思われるものもある。地質は、地質図によれば非アルカリの苦鉄質の火山岩で、妙義山と同じと思われる。

・岩手県岩泉町のもの・・・石灰岩上で見られ、アキカラマツイワテチャボカラマツ、添付写真のものが近接して自生している。外観は全くミョウギカラマツと全く同じだが、葉裏は更に白く、葉裏や花柄に非常に短い腺毛(0.05mm以下)がややまばらにあり、光の加減で見えたり見えなかったりする。茎にはない。裏面の脈がはっきり浮き出て、葉の縁がわずかに裏面に反る。 (石灰岩の影響ではないかと推定)




ミョウギカラマツ-岩手

このあたりには、イワテチャボカラマツアキカラマツもあります。それぞれ開花時期が1月ずつ違い、本種はアキカラマツと一緒のようで、まだ蕾でした。(2015.7 岩手県岩泉町)

ミョウギカラマツ-岩手-葉

葉裏は妙義以上にまっ白。小葉柄も結構白い。葉の縁が少し裏側に巻いているのは、この
地域のカラマツソウ全てに共通で、石灰岩の影響と思われます。(2015.7 岩手県岩泉町)

ミョウギカラマツ-岩手-葉2
脈上に妙義産ミョウギカラマツと同じような縞模様が見られます。
葉の基部付近に多少長めの腺毛が見られます。葉面や絵の白い点もごく短い腺毛と思われ、光の加減で見えたり見えなかったりします。(2015.7 岩手県岩泉町)

ミョウギカラマツ-岩手-花
不鮮明な画像ですが、花柄に微腺毛が確認できます。腺毛はさほど多くない。
萼片にも見られます。柄に写っている腺毛より少し大きめの丸いものは、花粉と思われる。
(2016.7 岩手県岩泉町)

ミョウギカラマツ-青森

沢沿いの岩場から横に茎を伸ばして咲いていました。やや葉の青みが少ないように
感じましたが、写真ではわかりにくい。(2014.7 青森県白神山地)

ミョウギカラマツ-青森-花

咲き始めたばかりのもの。まだ萼が残っています。
(2014.7 青森県白神山地)

ミョウギカラマツ-青森-葉

写真よりもう少し青みが少なく、もう少し緑色っぽかった印象でした。
小葉の形がどれもやや縦長というのも気になった。(2014.7 青森県白神山地)

ミョウギカラマツ-青森-葉2

葉裏は妙義で見たものより、もっと白かった。小葉柄や葉序の軸も少し白い。
(2014.7 青森県白神山地)