トガクシショウマ (トガクシソウ)

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メギ科 Berberrisaceae
メギ科 Berberidaceae
森の沢沿いの北向き斜面などでまとまって見られます。
丈は30-50cmほど、葉は長柄があり、3出複葉で2枚が対生します。小葉は円心形で掌状に中~浅裂します。
花は対生する2枚の葉の間から柄を伸ばすように見え、下を向いて咲きます。花弁に見えるのは内萼片で6枚、花弁は白く6枚で平開せず、雄しべに沿っています。外萼片3枚は早落します。果実は楕円形で白い。
1888年、日本人が初めて学名を付けた植物でもあります。

 

2015.2.27 更新
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トガクシショウマ-全体

やや薄暗い沢沿いの北向き斜面に群生していました。
(2011.6 尾瀬)

トガクシショウマ-全体2

30cm近く茎を伸ばして、葉、花を付けていました。
(2011.6 尾瀬)

トガクシショウマ-全体3

花は何故か斜面の下を向く傾向が顕著。上から撮ると1つもこっちを向いてくれてない。
(2011.6 尾瀬)

トガクシショウマ-花

花弁に見えるピンク色のものは内萼片で、6枚。さらに外側に3枚の外萼片がありますが、
早落して写真では見られません。内側の白いものが花弁です。(2011.6 尾瀬)

トガクシショウマ-花2

外萼片がまだ残っているもの。外萼片は3枚あり、早落します。
(2011.6 尾瀬)

トガクシショウマ-花3

花柄は対生する葉の間から出るように見えますが、葉が出る場所より上にも茎が存在します。が、極端に節間が短く、このように束生して見える。(2011.6 尾瀬)

トガクシショウマ-葉

葉には長い柄があり、3出複葉。
(2011.6 尾瀬)

トガクシショウマ-葉2

小葉は円心形で欠刻状に浅裂します。
(2011.6 尾瀬)

トガクシショウマ-葉3

葉裏。脈が浮き出ます。
(2011.6 尾瀬)


トガクシソウは日本人が学名を付けた最初の記念すべき種です。
現在もその当時から変わらぬ学名ですが、
Ranzania japonica (T.Itô ex Maxim.) T.Itô と、「最初」という割りに紆余曲折のあることがわかります。

以下、経緯などを調べてみました。

トガクシソウは1975年に伊藤謙によって始めて採種され、甥の伊藤篤太郎の依頼で日本の植物に造詣の深いロシアのマキシモブィチが同定しました。
その結果、ミヤオソウ属の1種として、1886年、マキシモヴィチの手で学名が付けられ、ロシアの学術誌「サンクト・ペテルブルク帝国科学院生物学会雑誌」で発表されました。Y-Listでも次のように記述されています。 (basion.: Podophyllum japonicum T.Ito ex Maxim. in B. A. S. S. -P. 31: 14 (1886))= 伊藤篤太郎の代わりにマキシモブィチが発表したことを意味する)

その後、1987年に東京帝大・矢田部良吉の依頼でマキシモブィチにより再同定が行われ、新しい別の属であることがわかり、それを知った伊藤篤太郎が単独で新属名を Ranzania として、1988年、英国のJournal of Botany, British and Foreign誌に発表しました。そのため、新学名に「(T.Itô ex Maxim.) T.Itô」=伊藤篤太郎の代わりにマキシモブィチが発表したものを伊藤篤太郎が書き換えた・・・という著作者名が記述されています。

日本人最初の学名は、マキシモヴィチの力による所が大きかったようで、日本人人身の同定による初の学名は、翌年の1889年、牧野富太郎によるヤマトグサのようです。

Wikipedia、Y-List、のホームページを参照して記述しました