ワチガイソウ

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ナデシコ科 Caryophyllaceae
丈は5-15cm、葉は1-4cmの倒披針形~卵状倒披針形で先は尖り、縁毛が見られます。上部の葉は接して付かない。茎には1-2列の毛があります。
花は葉腋から下向きに曲がった毛のある長い柄を伸ばし、1cmほどの花を1つずつ付けます。花弁は5つ、時に4つで先端が尖ります。萼は線状披針形~長楕円形で毛が見られます。

 

2019.6.7 更新
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ワチガイソウ-全体

上部の葉が接近することはありませんが、葉腋から花柄を先に延ばすので、
紛らわしいものもよく見かけます。(2019.5 山梨県櫛形山)

ワチガイソウ-全体2

(2019.5 山梨県櫛形山)


ワチガイソウ-全体

咲き始めのものは、2対の葉が接して見えることが多く、特に紛らわしい。
(2010.5 静岡県安倍峠)

ワチガイソウ-全体4

これも同様。
(2012.5 栃木県鹿沼市)

ワチガイソウ-花

花弁は常に5枚、葯は紫色がかった赤色です。
(2008.5 山梨県・旧須玉町)

ワチガイソウ-花・茎

萼に毛ががあります。
(2008.5 山梨県・旧須玉町)

ワチガイソウ-花3

(2019.5 山梨県櫛形山)


ワチガイソウ-花4

花柄に下向きに曲がった毛が見られます。ヒゲネワチガイソウはここは無毛。
葉は接して見えますが、成長過程と思われ、本種。(2019.5 山梨県櫛形山)

ワチガイソウ-葉

葉は倒披針形~卵状倒披針形、多くの場合、上部に比して下部の葉は細い。
(2018.5 山梨県三ツ峠山)

ワチガイソウ-葉2

葉裏。ブレてしまってわかりにくい写真ですが、微細な毛が多く見られた。
(2018.5 山梨県三ツ峠山)

ワチガイソウ-茎

茎にも2列の下向きに曲がった毛が見られました。
(2018.5 山梨県三ツ峠山)

上部の葉が接して付くか否かでヒゲネワチガイソウと区別するのは、実際なかなかわかりにくいケースが多いと感じます。
特に咲き始めのような時期では、植物体が成長過程にあるため、ワチガイソウも上部2対が接して付いて見えてしまうためです。

従来は花弁が6枚以上を除外し、周囲のものも含めて葉が明らかに輪生状でないものがあれば、撮影する個体も本種としていました。
その結果、後日写真を見直すと、自分でもホントに本種だろうかと疑いたくなるものが混ざってしまいました。

他に決定打はないものかと調べたところ、花柄に下向きに曲がった毛があることで、ヒゲネワチガイソウ(無毛)と区別できることが判明しました。

その結果、2008.5 旧・須玉町、2010.5 安倍峠、2012.5 鹿沼市、2018.5 三つ峠山はいずれも柄に下向きの毛が確認できました。
が、2016.5 日光市のものは、この基準ではヒゲネワチガイソウと推察され、削除しました。
2019.6 以降は、この点も踏まえて掲載します。