ハクサンコザクラ

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サクラソウ科 Primuraceae
白馬岳周辺などではお馴染みのサクラソウ。高山ならどこにでもありそうですが、意外と地域は限られています。
葉は3-5cmの倒卵状ヘラ形で基部はくさび形で細まりますが柄は不明瞭。縁に鋭い歯牙が10-20個あります。
花茎は5-15cm、茎頂に3-6個が散形状に付き、花径20mm、長さ7-8mm。喉部は黄色で花冠裂片は半ばまで深く裂けます。萼も深く裂けます。
良く似たミチノクコザクラは全体がやや大きく、花茎に付く花数も多く、葉も5-8cmになります。

 

2015.7.17 更新
  • 全体
  • 全体2
  • 花2
  • 葉2
  • 茎や葉の毛について

ハクサンコザクラ-全体

サクラソウの仲間では数少ない非絶滅危惧種。
(2006.8 長野県白馬大池)

ハクサンコザクラ-全体2

(2008.7 長野県白馬大池)


ハクサンコザクラ-花

裂片は中央付近まで裂けています。
(2006.8 長野県白馬大池)

ハクサンコザクラ-花2

柄や萼には、「腺点状の毛」が密に見られます。
(2015.7 北ア・白馬岳)

ハクサンコザクラ-葉

葉は倒卵状ヘラ形、縁が少し表側に曲がる。基部は幅広で柄は不明瞭。
(2008.7 長野県白馬岳)

ハクサンコザクラ-葉2

葉裏や縁に微細な毛が見られました。粉状物ではないと思われます。
※普遍性があるかは不明 (2015.7 北ア・白馬岳)

ハクサンコザクラ-茎

葉表にも微細な毛が、茎にも微細な毛、若しくは粉状物が確認できました。
※普遍性があるかは不明 (2015.7 北ア・白馬岳)

2015.7 白馬岳で撮影した個体では、葉の両面、茎に微毛と思われるものが確認されました。雪融けが遅くて、1個体しか撮影できていないため、ここのもの全てがこのような状態なのかは不明です。
一般的にハクサンコザクラの葉や茎は無毛と認識されていると思われますので、イレギュラーであるかもしれません。

たた、ハクサンコザクラは地域ごとに独自に進化しているとも言われ、基準標本地の白山と白馬岳では、多少特徴が異なるのかもしれません。

詳しいことは何も分からないので、以上、ご承知置き下さい。


なお、本種の基本種・エゾコザクラは、茎や葉に腺毛が見られますので、このようなものが出現してもおかしくないのかもしれないとも思いました。