(雑) イヌヌマトラノオ

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サクラソウ科 Primuraceae
オカトラノオヌマトラノオの交雑種
茎には短毛が見られます。
葉はオカトラノオより一回り小さく、長楕円形で明るい緑色、先は鋭頭、縁はやや波立つ事が多い。
花序はオカトラノオのように片側にたおれることも、ヌマトラノオのように直立することもある。花径は1.2cmほどとヌマトラノオより大きい。

 

2020.7.25 更新
  • <草地> 全体
  • 全体2
  • 全体3
  • 花2
  • 花3
  • 葉2
  • 葉3
  • 芽だし
  • <湿地> 全体4
  • 全体5
  • 葉4
  • 葉5
  • <異形>全体
  • 葉2
  • 全体2
  • 異形のものについて

イヌヌマトラノオ-全体
以前は沼地のほとりであったやや乾いた草原で見られ、よく群生していました。
花序はあまり垂れないとも言われますが、乾地では花穂が長くなる傾向があるようで、オカトラノオの形質が出るのかも・・・。(2008.6 千葉市)

イヌヌマトラノオ-全体2

雰囲気はオカトラノオにも似ていますが、葉の色が明るい緑色で細く、
縁が波打っていることが多い。(2013.6 千葉市)

イヌヌマトラノオ-全体3

(2016.7 千葉市)


イヌヌマトラノオ-花

(2007.6 千葉市)


イヌヌマトラノオ-花2

ヌマトラノオと同様、花冠基部や花糸は粒状の突起で覆われているように見えました。
(2014.6 千葉市)

イヌヌマトラノオ-花3

萼裂片は狭卵形。
(2014.6 千葉市)

イヌヌマトラノオ-葉

葉はオカトラノオ同様鋭く尖りますが、こちらは色が明るい緑です。
(2008.6 千葉市)

イヌヌマトラノオ-葉2

葉の縁は全縁に見えますが、よく見ると微細な突起のようなものが並んでいました。
(2014.6 千葉市)

イヌヌマトラノオ-葉3

葉裏。
(2014.6 千葉市)

イヌヌマトラノオ-茎

茎には微毛がありますが、ほとんど無毛に見えます。
(2008.6 千葉市)

イヌヌマトラノオ-芽だし

葉は微毛に覆われていました。
(2014.4 千葉市)

イヌヌマトラノオ-全体4

水湿地で見られた典型のもの。花穂が垂れず、ヌマトラノオより太い。何より花が大きい。
但し本種の乾地のものに比して花穂は短いようでした。(2020.7 千葉県四街道市)

イヌヌマトラノオ-全体5

そこそこの群落でしたが、大半は切られた邪魔な枝の下敷きで潰されていて残念だった。(2020.7 千葉県四街道市)

イヌヌマトラノオ-葉4

葉は乾地のものと同じように明るい緑色で縁が波立つ。
(2020.7 千葉県四街道市)

イヌヌマトラノオ-葉5

葉裏や縁に毛が見られた。
(2020.7 千葉県四街道市)

イヌヌマトラノオ-茎

茎も乾地と変わらず、微毛が見られました。
(2020.7 千葉県四街道市)

イヌヌマトラノオ-全体2-1
この群落はかなり大きいのですが、ほとんど花が付かず、10年間で1回しか見たことがない。葉腋の赤味ははっきりしているものとそうでないものが混在。オカトラノオとの再交雑ではないかと思っています。(2016.6 千葉市)

イヌヌマトラノオ-葉

葉はオカトラノオに似て幅が広い。
(2016.7 千葉市)

イヌヌマトラノオ-葉2

葉裏。ほとんど毛は見られませんでした。
(2016.7 千葉市)

イヌヌマトラノオ-茎

茎の毛はとても少ない。葉腋部が赤く、オカトラノオに似ている。が、毛は少ない。
(2016.7 千葉市)

イヌヌマトラノオ-全体2-2
ただ1回、咲いたのを見た時のものですが、今思うとこれはオカトラノオだったのかもしれない。50mほど離れたイヌヌマトラノオの花粉によって生じた果実から生まれたのが、周囲にある花の付かない株だとしたらつじつまが合う。(2007.7 千葉市)

母種オカトラノオ x 父種イヌヌマトラノオではないかという仮設に基づき、異形としたものと、比較用に本来のイヌヌマトラノオを1つずつ頂いて、自宅に植栽して3年たちました。
イヌヌマトラノオは翌年から花は付けていますが、異形のものは相変わらず花はつきません。

が、根茎の伸びはイヌヌマトラノオとは比較にならないほど早く、年50cmくらい伸びてあっという間に群落を形成し、手狭な庭を占拠されかねない状況で、継続を諦めました。

何やっているんだかですが、花が付かないのは環境要因ではないことだけは判りました。