ニガカシュウ

top
ヤマノイモ科 Dioscoreaceae
ツル性植物。雌雄別株。
葉は長さ5-13cmの円心形で先がツンと尖り、光沢があります。葉腋にむかごが付きます。
雄花序も雌花序も垂れ下がります。花被片は黄緑色で紫色を帯び、平開しません。雄花は無柄。

 標準学名Dioscorea bulbifera は栽培種であるカシュウイモを含むため、在来自生種のみを指す狭義を採用しました

 

2014.11.6 更新
  • 全体
  • 実・むかご
  • 毒性について

ニガカシュウ-全体

葉は円心形で先が旧に尖ります。葉腋にむかごができます。
(2011.9 静岡市)

ニガカシュウ-花・むかご
花は終わっています。むかごは立派。ヤマノイモのむかごに比してゴツゴツしている。日本では有毒の扱いとなっていますが、毒性のあるものは塊根に含まれているジオスブルビンという成分で、むかごに含まれるかどうかは不明。(2011.9 静岡市)

ニガカシュウ-葉

葉の柄にヒダ状のものが見られます。
(2011.9 静岡市)

一般にニガカシュウは有毒とされていますが、低毒性であるという意見もあり、試された方もいらっしゃるようなので調べてみました。

奄美群島生物資源Webデータベースによれば、ニガカシュウに含まれる有用・有毒成分について、
「塊根は、ジオスゲニン、ジオスブルビン、ショ糖、デンプン、ジオスゲニンを配糖体とするステロイドサポニンを含む」 と記述されています。(参照ページへ)

デンプンやショ糖は勿論、有用な成分です。
ジオスゲニン、ジオスゲニン配糖体はナガイモなどにも含まれ、漢方でも用いられており、天然サプリメントとして有用な成分と思われます。(参照ページへ)

ジオスブルビンについては、内閣府食品安全情報の、「フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)、ヤムイモ(Dioscorea)アルコール抽出物の無害性を保証する作業の妥当性について意見書を提出」という文書に
ジオスブルビン-Dは肝毒性または腎毒性がある」という趣旨が読み取れる記述があります。(参照ページへ)

この成分がニガカシュウの塊根以外・・・むかごにも含まれているかはどこにも記述がなく判りません。が、一般的にむかごは塊根とよく似た組成のものです。病変を引き起こす遅効性の有毒成分の存在が疑われる以上、少なくともこのむかごを一定量摂取するのはリスクが大きいと思いました。

以上は素人の筆者が調べた情報です。判らないものは食べないのが鉄則です。試される方はもう一度ご自身で安全性をご確認ください。