エンレイソウとツクバネソウ属の1種の属間雑種?

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シュロソウ科 Melanthiaceae
ユリ科 Liliaceae
葉はエンレイソウ属に似て、一見はエンレイソウの奇形(4ツ葉)かと思いましたが、子房がエンレイソウよりかなり小さく、中央に糸状に長く伸びる花柱か花弁と思われるものが見られ、蕾も上向きで細いなど、ツクバネソウ属の特徴が見られた。

 

2020.2.15 作成
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  • <参考>5葉のエンレイソウ
  • 同・花

不明種-全体

撮影時はあまり気づくことがなく、最近になって強い違和感を感じるようになりました。
(2015.5 青森県八甲田山)

不明種-花
葯が裂開していないことから、開花してまもない花と思われるもの。
子房は小さく、糸状に長く伸びるものが見られる。ツクバネソウであれば花柱、クルマバツクバネソウであれば内花被ということになりますが・・・。(2015.5 青森県八甲田山)

不明種-蕾

エンレイソウの蕾であれば、下向きで卵形、葉の展開の直後に咲きはじめますが・・・。
(2015.5 青森県八甲田山)

不明種-葉

葉を1枚だけ見ると、エンレイソウの仲間にしか見えない。
(2015.5 青森県八甲田山)

掲載のものは、北八甲田の麓で見られたものです。撮影から時間がたって気づいたため、詳細は覚えていません。が、写真を見ると10株程度がまとまってあったようです。

単なるエンレイソウの変化の4葉であれば、子房も4室となり、通常より大きくなるはずです。(参考タブ参照) が、著しく小さいと思われ、且つ花期が遅く、蕾が上向きというのも気になります。

エンレイソウ属はツクバネソウ属に非常に近い植物群と聞きますので、エンレイソウ属の何かとツクバネソウの何かの交雑は極めて希ながらありうるように思えましたが、そのような属間雑種の存在はわかりませんでした。

さらに、撮影カット数が少なく、且つ確度も的確ではないため、長く伸びるものが花柱なのか、内花被なのかの判別もつかず、ツクバネソウ属が関わるとしても、関わる種の推定も出来ませんでした。

機会があればなんとか場所を思い出して撮影したいと思います。今も残っているといいのですが・・・。

ご情報頂ければ幸いです。




エンレイソウ-5葉

葉が5枚付いたエンレイソウ。
(2016.4 青森市)

エンレイソウ-5葉

外花被も5、雄しべは10、子房も5室になるので通常より大きい。
(2016.4 青森市)