バシクルモン

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キョウチクトウ科 Apocynaceae
中国・モンゴルに自生するラフマの変種。名の語源がアイヌ語なので外来種のような印象もありますが、れっきとした在来の希少種。
丈は50-80cmほど、茎はよく分枝します。葉は対生することも互生することもあります。いずれの葉も長楕円形、短柄があり、縁に微細な鋸歯状のものがあります。茎、葉ともに無毛。
花は茎頂に円錐状に多数付き、ピンク色のラッパ状で1cm、先端は5裂。

 

2017.5.20 更新
  • 全体
  • 全体2
  • 全体3
  • 花2
  • 葉2
  • 葉3
  • 名の由来

バシクルモン-全体

咲き始めたばかりのようで、この株が一番よく咲いていました。
(2013.6 新潟県)

バシクルモン-全体2

海の漂着物が散乱して歩くのも躊躇われるような所にあり、ちょっと可哀想でした。
(2013.6 新潟県)

バシクルモン-全体3

(2013.6 新潟県)


バシクルモン-花

萼や花柄に微細な毛が見られます。花は咲き進むと下を向くように見えました。
本来ならもっと花序は広がりますが、咲き始めなのでこのような姿。(2013.6 新潟県)

バシクルモン-花2

花冠には濃いピンクの線状の斑が入ります。花冠裂片にも微細な毛が見られました。
(2013.6 新潟県)

バシクルモン-葉

葉は主茎、側枝とも互生したり対生したりで、決まっているようには見えませんでした。
形は披針形で先端は鈍頭、基部は円形またはくさび形。(2013.6 新潟県)

バシクルモン-葉2

葉には短柄があり、無毛。縁に粒状の突起のような
微細な鋸歯状のものが見られました。(2013.6 新潟県)

バシクルモン-葉3

葉表。
(2017.5 新潟県)

バシクルモン-茎

茎も無毛。
(2016.5 新潟県)

バシクルモン-春

コンクリートの割れ目に沿って見られたもの。
(2017.5 新潟県)

バシクルモンの名が、アイヌ語の paskur-mun (カラスグサ) に由来することは知られていますが、なぜカラスなのかは知られていません。「長い地下茎を出す草」という説もありますが、「語義の上からはそういう解釈の成り立つ余地は全くない」と一蹴されています。(アイヌと自然デジタル図鑑)

興味がわいたので、いろいろ調べて見ました。

1.バシクルモンは本当に毒草なのか

バシクルモンに関する成分データは見つかりませんでしたが、基準種である ラフマ(Apocynum venetum 中国・モンゴル原産)についてはネット上に信頼できる資料が豊富にあります。
それによれば、根は極めて有毒ですが、葉は毒性はほとんどなく、むしろ有用なフラボノイドを多く含み、中国ではヤンロン茶として用いられたり、高血圧治療薬にも用いられていることが判りました。また茎は麻のように用いられ、抗菌性、吸水性に優れ、衣料などに用いられています。(以上、国立健康・栄養研究所 および新潟県薬剤師会サイトより)
ただし、これらの内容がバシクロモンにも当てはまるかは不明。

2.アイヌの人達にとって「カラス」はどういう存在なのか

paskur はカラスの総称のようですが、「良いことをするハシボソガラスと悪いことばかりするハシブトガラス」と捉えられていたようです。また、ハシボソガラスは「カララクと鳴く神(kararak-kamuy)」、ハシブトガラスは「糞ガラス(si-paskur)」とも呼ばれた地域もあります。
(アイヌと自然デジタル図鑑、およびアイヌ民族文化センターのサイトより)

ここから先、筆者の憶測ですからむやみに信じないでください。

推察1.バシクルモンは有用な部分と有害な部分を合わせもっていたとして、アイヌの人達がそれを利用していたならば・・・、「カラス」のように良い部分と悪い部分があるという例え。

推察2.バシクルモンが全草有毒、若しくはアイヌの人達が有用性を知らなければ・・・「paskur」はsi-paskur(ハシブトガラス)を差し、不吉な(有害な)草の意味。

推察3.(低い) 古来、ラフマが北日本にも自生していて、バシクルモンにその薬効性がない(または低い)ことの例え。イヌ・・・と同じ使い方。

正解はバシクルモンの毒性や薬効性の有無が鍵のように感じますが、バシクルモンが見られる地域のアイヌの人達なら、それを知っているでしょうね。