キブシ

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キブシ科 Stachyuraceae
雌雄別株で両性株もあります。
丈は2-4m、葉は4-15cmの長楕円形~卵形で互生。
春先、葉が出る前に3-10(-15)cmほどの総状花序を垂れ下げます。雌花序は雄花序より短い。花弁は4枚、淡い黄色で外側2枚の花弁が小さい。雄しべは8。果実は7-12mmの楕円状球形で黄褐色に熟します。

 

2023.2.25 更新
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  • 葉3
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  • 補足説明

キブシ-全体

花は葉が出るより前に咲き出します。
(2007.4 茨城県筑波山)

キブシ-全体2

雄性株と思われるもの。
(2018.3 千葉県鴨川市)

キブシ-全体3

雌性株。他に比して花数がやや少ないことが多いようです。
(2019.5 静岡市)

キブシ-果期

ハチジョウキブシと思われるもの
(2020.6 千葉県鴨川市)

キブシ-全体3

ケキブシと思われるもの
(2017.7 青森県西目屋村)

キブシ-花

(2011.4 山梨県 旧・河口湖町)


キブシ-花2

雌花。
(2020.3 千葉市)

キブシ-花3

雄花。雄しべは8個。花弁は平開しない。
(2018.3 千葉県鴨川市)

キブシ-花4

1.小苞 2.外萼片 3.内萼片=花弁状 その内側は花弁で4枚。
(2018.3 千葉県鴨川市)

キブシ

(2023.2 千葉市)


キブシ-実

果実はふつう楕円状球形で径7-12mm。ただし地域によって大きさも形も変化します。
(2017.7 青森県西目屋村)

キブシ-実2

ハチジョウキブシと呼ばれるものの果実。ふつうのキブシに比して果実が大きい。
(2017.6 千葉県 鴨川市)

キブシ-実3

形はいろいろある。これも、ハチジョウキブシと呼ばれるもの。
(2018.5 茨城県筑波山)

キブシ-葉

葉は長楕円形~卵形で先は長く尖り、縁に細かな鋸歯が見られます。
(2018.5 茨城県筑波山)

キブシ-葉2

ケキブシと呼ばれるもの。葉裏に毛がある。
北陸と東北日本海側に多いそうですが・・・。(2017.7 青森県西目屋村)

キブシ-葉3

南房のハチジョウキブシとされているもの。脈上に少し毛が見られましたが
面にはないようでした。(2020.6 千葉県鴨川市)

キブシ-葉4
筑波山のものにも葉裏脈上に毛はあり、全体に白っぽい。
ここのものもハチジョウキブシとされているようですが、違和感を感じます。複数のポイントで
差異が連続的であり、区別は困難と感じます。(2018.5 茨城県筑波山)

キブシ-樹皮

赤褐色~暗褐色。
(2018.3 千葉県鴨川市)

掲載写真のうち・・・

青森県西目屋村のもの ・・・ ケキブシ (f. leucotrichus) になると思われます。東北日本海側~北陸に分布します。葉裏に毛が見られます。

茨城県筑波山、千葉県 旧・天津小湊町のもの ・・・ ハチジョウキブシ (var. matsuzakii) に当たると思われます。葉や果実が大きいのが特徴です。 関東、伊豆諸島、東海、四国と九州の一部に分布します。従来は、伊豆諸島以外の葉裏に毛が見られるものをエノシマキブシ (var. ovalifolius) と分けていましたが、近年は区別されていません。

一方、日本の野生植物(新版=2016年刊)では、これらの変種、品種につき、DNA解析で差異があることを認めつつも、「キブシの個体変異の範囲内」、又は「キブシと連続」的であるとされ、「キブシと区別できず、同一種である」とされています。

筆者も差異を明示することができませんので、両説併記の上、合併掲載の形を取りましたが、区別しないという考え方に賛成です。