成分・組織

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このページは自己啓発のために作成したものです。
wikipediaなどを参考に記述しましたが、化学の知識が乏しいので、理解できる範囲が狭くて、誤った認識もあると思いますので、参考程度に留めてください。
また、個別の植物のページで誤った用法で記述しているものがあるかもしれません。気づき次第訂正します。

アリルイソチオシアネート (アリルからし油) 
わさびやからしの辛み成分。 この成分は植物体自体には有害なために含まれていないが、アブラナ科の植物体では細胞が破壊されるとミロナーゼという酵素が放出され、シグリニンと加水分解して生成される。わさびを丁寧に摩り下ろさないと辛みが出ないのはそのため。ワサビとカラシで風味が異なるのは、他に含まれる成分によるもので、辛み成分は同じ。唐辛子や胡椒、山椒などの辛み成分とは異なる。

アルカロイド 
窒素原子を含む塩基性の有機化合物の総称。20,000以上が確認されており、その多くは植物から見つかっている。 毒性の高いものが多く、トリカブトに含まれるアコニチン、スイセンに含まれるリコリンもその1つ。麻薬で知られるコカイン、タバコに含まれるニコチンなども含まれる。逆に毒性を利用した医薬品も多く、抗がん剤などに利用されたり、強い鎮痛作用があるモルヒネもアルカロイド。摂取量を守ればリスクの少ないものもあり、多くの人が日常摂取するコーヒーやお茶に含まれるカフェイン、唐辛子に含まれるカプサイシン他、知らずに日常摂取しているものもある。

アントシアニン 
フラボノイドの1つ。赤~紫~青の水溶性色素アントシアニジンの配糖体。多くの植物に含まれ、紫外線を吸収してDNAを防御する機能などを担う。白花の一部が赤みを帯びたり、芽吹きの葉が赤みを帯びるなどする。これを逆手にとって、紫外線を照射して花色を濃くする等の園芸技術もある。赤色の紅葉は気温の低下により葉の基部に離層が生じ、糖が戻る場所を失って光反応で生成されたもので、急激に冷え込んで晴れが続くと赤色が一層鮮やかになるのはこの為。

ウルシオール 
ウルシ属の全草に含まれるアレルギー物質。触れることで接触性皮膚炎を生じる。山火事などで燃えた場合は煙を吸い込むと気管支などがかぶれて呼吸困難となることもある。マンゴの果皮にも含まれる。アレルギー物質なので、人によっては触れただけではかぶれない人もいるが、触れずとも近寄っただけでカブレる人もいる。

カテキン 
お茶に含まれる渋みの成分。従来はタンニンの1つと考えられていたが、近年は分けられている。テアミンというアミノ酸(うま味成分)が葉で光反応してカテキンに変化するので、収穫前に光を遮ることで美味しいお茶が作られる。

カロテノイド 
ポリフェノールの1つで黄色~赤色の色素。600種ほどあり、動物にも含まれ、人の体にも含まれる。ニンジン等のβカロテン、トマトのリコピン、緑黄色野菜にも多く含まれるルテインもこのグループ。葉緑体ではクロロフィルの補完機能(紫外領域)、抗酸化作用、紫外線防御機能などを担う。黄色の紅葉は赤色の紅葉とはメカニズムが異なり、クロロフィルが先に分解され、カロチノイドは遅れて分解されるために生じる。

蟻酸 
字のごとく、アリが防衛のために持つ毒性物質。植物にも多く見られ一部のイラクサ科植物では触れただけで著しく痛みを生じ、水泡を生じることもある。一定量摂取すると視神経に障害が生じ、最悪失明に至る。野菜類にも含まれており、キュウリの灰汁は維管束に含まれる少量の蟻酸によるもので、板ずりなどで減じる事が出来る。メチルアルコールの急性中毒は、体内でホルムアルデヒドを経て蟻酸になることで生じる。

クマリン 
桜餅の香りとしてよく知られる。桜餅では最も多く含まれるオオシマザクラの葉が使われることが多い。イネ科のハルガヤなどにも多く含まれ、踏みつけたり乾燥させたりすると「桜餅に香り」になる。他にセリ科のパセリなど香味野菜にも含まれる。

クロロィル 
葉緑素とも呼ばれ、天然の緑色色素として唯一の物質。葉緑体に多数含まれ、青色と赤~近赤外光を吸収してエネルギー変換を行う。そのため、中間色が反射して緑色に見える。また、吸収したエネルギーは水+二酸化炭素からグルコース(糖)を生成するのに用いられ、酸素糖を放出する光合成を行う。 (葉緑体はクロロフィルを含む細胞内組織名、クロロフィルは物質名)

シュウ酸カルシウム 
有毒物質で多量に接し由すると死に至ることもある。サイイモ科テンナンショウ属に多く含まれ、カタバミ科植物にも含まれる。ふつうに食する野菜類にもごく微量含まれるものがいくつもあり、ハイナップルを食べた後に口内に違和感が残るが、ごく微量のシュウ酸カルシウムによるもの。体内でも生成され、尿路結石になったり深刻な腎臓障害を引き起こす。スイセンなどでは接触性皮膚炎を生じることがある。

タンニン 
フラボノイドの1つで植物にふつうに見られる成分。人には渋みとして感じられ、菌類から守る効果などがあり、渋柿に含まれるカキタンニンは和傘などに利用されてきた。ウィスキーの醸造樽もタンニン色や香りに欠かせない。果実酒やジュース、ジャムでは種子に含まれるタンニンの苦み・渋みをうまく避ける(利用する)のかが1つのポイント。ワインのポリフェノールには、このタンニンが含まれ、抗酸化作用が活かされている。

フラボノイド 
クロロフィルやフラボノイトと並び、ポリフェノールの代表的な1群。約7,000が含まれる。フラボノイドには赤色色素のアントシアニンやお茶の渋みに代表されるカテキン、ダイズのイソフラボン、ソバの実に含まれるルチン、ゴマのセサミン、玉ねぎのケルセチンなど、補助健康食品でよく耳にする名前が並ぶ。

フラボン 
フラボノイドの1つのカテゴリ。黄色~白色の色素群。

ポリフェノール 
植物の細胞の生成を助ける役割を持つ物質。ポリフィノールの名はワインやチョコレートでよく知られてはいるものの、5,000以上の種類があり、クロロフィルをはじめとする色素成分や香成分、味覚成分など、野菜や果物にも多量に含まれる。このページの多くの物質名もポリフェノールであり、植物にも何等か含まれるのが当たり前なので、ポリフェノールの名で説明することに意味はない。

葉緑体 
光合成を行う器官。種子植物では1細胞あたり複数存在し、多量のクロロフィルだけでなく、組織の防衛やククロフィルの補完機能も持つカロチノイドなども含めた組織。(クロロフィルは葉緑体に含まれる成分)