ノブドウ Ampelopsis glandulosa var. heterophylla
(品種) キレハノブドウ

2023.10.10 更新

ノブドウ

分類
ブドウ科 ノブドウ属
植生環境
里 山地
開花時期
7-8月 草地
地域
全国
特記
 -
特徴
ツル性植物。
葉は6-12cmの卵形でふつう、浅く3-5裂し、先は急に尖り、基部は心形、粗い鋸歯があり、葉裏脈上に毛がある。
花は集散花序に付き、全て両性花で淡緑色の5弁花。果実は熟すと白~空色ですが、それまでに色が変化し、且つ虫こぶでしばしば肥大したり、濃色になったり、褐色になるものがある。
葉が激しく2回ほど裂けるものは、キレハノブドウと呼ばれます。
付記
果実の虫こぶの色や正常果の色など、意見の相違がある。虫こぶに関与する虫の名についても混乱が見られる。ここでは外観上明かに異常と思われる果実を虫こぶとした。
備考
エングラー : ブドウ科
類似種
テリハノブドウ : 葉に光沢があり、葉裏にほとんど毛がない。
撮影地
2017.6 千葉県館山市  他

ノブドウ

果実は緑色-白-淡紫の順に色が変化し、熟すと淡青色になる。
上記は「日本の野生植物」の記述で記したが、上記写真でも白、淡青が大半で中間色の淡紫がほぼない点でかなりの違和感がある。「白色果実の種子でも発芽する」との実証を経た見解もある。上記写真のほとんどが熟した状態と言えるかもしれない。但し褐色のものは中が腐敗したものか虫こぶと思っている。 (2008.11 千葉県勝浦市)


ノブドウ

花は集散状に付き、短緑色の5弁花、雄しべ5、花柱1。 (2017.6 千葉県館山市)


ノブドウ

葉は卵形~円形で浅く3-5裂するものもあり、先が尖る。葉裏脈上には毛がある。 (2017.6 千葉県館山市)


キレハノブドウ

葉が全く裂けていなかったもの。果実は白~淡青色に熟す。写真は未熟なもの。 (2022.9 千葉県東庄町)


(品種) キレハノブドウ f. citrulloides

キレハノブドウ

葉が深く裂けるものはキレハノブドウと呼ばれます。3-5中裂~深裂し、更に切れ込む。果実の色についてはノブドウと同じ。 (2010.10 栃木県渡良瀬遊水地)


(虫こぶ) ノブドウミフクレフシ


主にノブドウミタマバエによる虫こぶ。著しく肥大したり、やや歪んだ形になったり、褐色になったりする。 写真の「矢印」は正常な果実と思われ、「?マーク」は正常だと思うが・・・ある図鑑の記述に従えば虫こぶの範疇になる。 (2023.10 千葉県四街道市)
 ノブドウの虫こぶについては混乱があり、図鑑等の記述に誤りが多いと指摘されている。少なくともブドウタマバエはブドウタマバエの誤記、ブドウトリバ、ブドウトリバ、ブドウトリバ等はおそらくブドウトリバの誤記。(いずれも該当する昆虫名の存在が確認できない・・・?)。 なお、ブドウトリバもノブドウの果実に寄生するが、外観でわかるような虫こぶを形成するかどうかはわからなかった。また、果実の色についても多くの色は虫こぶと関係がないとする意見もある。事実、白色でも肥大した果実が見られた。
(筆者は昆虫には全く知見はないので、詳しく観察されている kinomemocho.com (木のメモ帳) の「ノブドウの果実」のページ 他を基にした外観のみの観察です。)