ホウキギクの不明種

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キク科 Asteraceae
キク科 Compositae
(観察による記述)
丈は1mほど、側枝は鋭角的に出ます。葉は線形で基部は柄状にならず、茎を抱かない。
頭花は径15mmほど、冠毛は筒状花の花冠と同長又はやや長い。総苞の下に多数の線形の苞葉が付く。

 

2016.1.28 作成
  • 全体
  • 花2
  • 考察

不明-全体

全体の印象はホウキギクでしたが、兎に角、頭花が大きい・・・。
(2015.11 千葉県一の宮町)

不明-花

径が14-5mmくらいあったような・・・計っていないので何とも言えない。
冠毛が見えています。(2015.11 千葉県一の宮町)

不明-花2

冠毛は花冠とほぼ同長か、少し長い。柄に苞葉が多数見られました。
(2015.11 千葉県一の宮町)

不明-葉

葉の基部は柄状にならず、茎もほとんど抱いていません。
(2015.11 千葉県一の宮町)

ホウキギクの交雑種には以下の2つがあります。

ヒロハホウキギク x ホウキギク
ムラサキホウキギク Symphyotrichum  subulatus var. sandwicensis x var. subulatus

ヒロハホウキギク x オオホウキギク
オソザキホウキギク Symphyotrichum  subulatus var. elongatus x var. sandwicensis

ホウキギクとオオホウキギクはほとんど交雑しないとされています。

上記交雑種の特徴はよくわかりませんが・・・
・写真の個体は頭花を除き、ホウキギクとよく似ており、そこそこ冠毛が長いという点でも類似します。舌状花の長さが大きく異なります。
・ヒロハホウキギクの特徴はどこにも見られませんでした。
・オオホウキギクとは、頭花が大きいこと、苞葉が多数あること、側枝の開出確度が鋭角であることが一致しますが、葉の付き方、冠毛の長さなどが異なります。

交雑することにより、いずれかの特徴がどこかに現れるとすれば、ホウキギク x オオホウキギク が考えられますが、「遺伝的な隔離機構が有効に働いている」(参考文献より引用) とのことで、和合しないか、和合しても成長できないとされていおり、可能性はないと思われました。

残念ながら、ホウキギクの仲間はいずれも1年草であり、種間雑種は不稔とされておりますから、再度確認することは難しいと考えます。

参考文献 「日本国内のホウキギク類の分類と帰化動態, 種間雑種に関する研究」 榎本敬・深井いと代・福山利範・武田和義 2001