ワガトリカブト (またはウゼントリカブトの別形状)

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キンポウゲ科 Ranunculaceae
花柄の毛が開出毛であるウゼントリカブトの高山風衝地型。
丈は50cm前後、茎は直立し、葉はやや厚みがあって固く、密に付き、中部の葉は基部付近まで5深裂し、裂片は更に中~浅裂します。
花は概ね総状に付き、花糸はふつう無毛。花柄は短く、毛は開出毛。
分類上はウゼントリカブトに含まれます。

 環境省第4次レッドデータリスト(2012)ではまだ別種となっている。

 

2016.2.16 更新
  • 全体
  • 全体2
  • 全体3
  • 花2
  • 花3
  • 花柄
  • 葉2
  • 不忘山のトリカブト

ワガトリカブト-全体

この山では、山頂付近の稜線部のみで見られ、少し下がるとオクトリカブトの高山型が
見られました。(2012.8 宮城県不忘山)

ワガトリカブト-全体2

丈は50cm以下程度でした。
(2012.8 宮城県不忘山)

ワガトリカブト-全体3

(2012.8 宮城県不忘山)


ワガトリカブト-花

花はやや小型。上顎片の嘴部分はあまり尖らないようです。
(2012.8 宮城県不忘山)

ワガトリカブト-花2

萼片の外側・・・特に上萼片の腺毛は目立ちました。
(2012.8 宮城県不忘山)

ワガトリカブト-花3

花糸に毛が見られました。
(2012.8 宮城県不忘山)

ワガトリカブト-花柄

花柄の毛は開出毛で腺毛が少し混ざっているようにも見えました。
(2012.8 宮城県不忘山)

ワガトリカブト-葉

葉は5深裂し、更に中裂。裂片が接して付くウゼントリカブトの特徴と似ています。
全体2の写真のほうが特徴が出ています。(2012.8 宮城県不忘山)

ワガトリカブト-葉2

上部の葉。葉面全体に伏毛があり、更に脈上、縁に毛が見られました。
柄にも開出した毛が見られました。(2012.8 宮城県不忘山)


不忘山のトリカブトは中腹にオクトリカブト、稜線にワガトリカブトがあるという認識でしたが、中腹登山道沿いには開出毛のものが、森林限界-稜線間に花柄にごく短い屈毛のあるタイプが混ざってありました。

従って、以下のように判定してみました

(花柄の毛)
  屈毛   開出毛
中腹(白石側) :   オクトリカブト   ウゼントリカブト
稜線 :   オクトリカブト高山型   ワガトリカブト

 

山形県、福島県の山岳はトリカブトは複雑な分布ですが、この山も例外ではないように感じました。