オクトリカブト

top

キンポウゲ科 Ranunculaceae
東北を中心に見られる、花柄が屈毛のトリカブト。
丈は0.6-2m、茎は多くは斜上します。葉は幅8.5-19cmと大きく、5-7中裂し、両面の脈上と葉柄に屈毛が見られます。
花は散房状~円錐状に多数付き、長さ3.5-4.5cm、雄しべは有毛雌しべは無毛、萼に屈毛があり、花柄にも屈毛が密生します。
茎が直立するものはオゼトリカブトと呼びますが、分類上は区別しません。また、秋田駒ケ岳などには丈が60-70cmと小型で直立し、花が密に付く型があります。
よく似たヤマトリカブトは葉の両面や葉柄に屈毛を欠き、ツクバトリカブトは葉が3全裂。

 

2016.9.19 更新
  • 全体
  • 全体2
  • 花2
  • 花3
  • 葉2
  • 葉3
  • 白花
  • 高山型
  • 同2
  • 同・花

オクトリカブト-全体

多くはこのように斜上して咲いています。花色はもっと濃いものが多く見られます。
(2009.8 群馬県尾瀬)

オクトリカブト-全体2

上萼片が大きくて立派なのも特徴。
(2007.10 宮城県鬼首高原)

オクトリカブト-花

尾瀬では鳩待から原一帯にあるものは上田代の一部を除き、
多くは本種(含むオゼトリカブト)のようでした。(2008.9 群馬県尾瀬)

オクトリカブト-花2

雄しべには毛が多く見られます。
(2008.9 群馬県尾瀬)

オクトリカブト-花3

花柄の毛は屈毛。萼の外面にも屈毛が見られました。
(2016.9 群馬県片品村)

オクトリカブト-実

縫合部分に屈毛が見られました。面には非常に短い毛?が見られました。
(2016.9 群馬県片品村)

オクトリカブト-葉

葉は大きくて円心形、5-7裂します。
(2007.9 筑波植物園) <植栽>

オクトリカブト-葉2
カギとなる葉脈上の毛。屈毛で微細なのでわかりにくい。
ヤマトリカブトとは全体の雰囲気等で見当がつきますが、北関東北部のものは
中間的なものが多く、見た目では難しい?(2008.9 群馬県尾瀬)

オクトリカブト-葉3

葉裏葉脈上に屈毛が見られました。
(2016.9 群馬県片品村)

オクトリカブト-茎・花柄

花枝にも茎にも、屈毛が密生しています。ここのものは葉の脈上の毛も、尾瀬のものより
多く長いようで、この程度のマクロでも左上の葉で確認できます。(2009.8 秋田駒ヶ岳)

オクトリカブト-白花

台風一過で株はグチャグチャになってしまい、花だけ撮ってきました。
(2013.9 新潟県 旧・巻町)

オクトリカブト高山型-全体

亜高山帯で見られる型。丈はせいぜい60cm位でした。葉も小さく、直立します。
(2012.8 秋田駒ヶ岳)

オクトリカブト高山型-全体2

奥に見えるのは田沢湖。
(2012.8 秋田駒ヶ岳)

オクトリカブト高山型-花

花柄の分岐がつまっていて、花が密になります。花柄の毛は屈毛。
(2012.8 秋田駒ヶ岳)