カザグルマ Clematis patens

2023.6.7 更新

カザグルマ

分類
キンポウゲ科 センニンソウ属
植生環境
里 山地
開花時期
5-6月 林縁
地域
本州以南
特記
準絶滅危惧
特徴
園芸種"クレマチス"の原種の1つ。
ツル性植物で、葉は羽状複葉、で小葉は3-5枚、卵形で鋭頭、時に2-3裂し全縁。
花は新枝の先に付き径7-12cm、花弁はなく、花弁に見える萼片は6-9個、ふつう8個、狭倒卵形で先が急に尖ります。花色は白、又は淡紫色。
付記
「日本の野生植物」では淡紫色のものを本種標準とし、白花は品種・シロバナタガグルマ(f. leucantha)とするとの記載がある。ここでは広義的に扱った。
備考
エングラー : キンポウゲ科
類似種
テッセン(正名) : C. floridaであるが、「日本植物誌」(1784・ツンベルク)(1845・シーボルト)を根拠にした学名と思われる。萼片6。 しかし、これは中国から日本に移入された当該種を指すと思われ、原産国・中国の野生原種と同じか否かはわかっていないようだ。これを基に作られた「フロリダ系」と称する園芸種があり、雄しべ・雌しべを花弁化した園芸種‘Sieboldii’がその代表。野生で存在しない。
クレマチス(通称・園芸種名) : カザグルマやテッセン(C. florida)などをベースに、欧州のセンニンソウ属と交配させた園芸種の総称。なお、本来の「クレマチス(Clematis)」はセンニンソウ属の学名であり、カザグルマやテッセンも含まれる。
撮影
2023.5 千葉県C  他

カザグルマ

園芸種のクレマチスの原種になった在来野生種。明るい林縁の藪などに絡まって大きな花を付けます。 (2023.5 千葉県C)


カザグルマ

花は径7-12cmと大きく、萼片はふつう8つ、先が急に尖ります。中国原産のテッセン(C. florida)は萼片6個ですが、本種も6個になることがあるが、野生では見られない。いずれにも花弁はない。 (2023.5 千葉県C)


カザグルマ

雄しべは多数、花糸と葯はほぼ同長、花柱も多数。 (2023.5 千葉県C)


カザグルマ

葉は3出複葉、または羽状複葉、小葉は卵形、全縁、葉柄や小葉柄を巻きヅルのように絡ませます。小葉は時に2-3中裂する。 (2009.5 千葉県A)


カザグルマ

若い果実。5cmほどの球形に纏まる。線形の白い部分は果実熟すと長い冠毛状になる。 (2023.6 千葉県C)