ミドリハコベ

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ナデシコ科 Caryophyllaceae
在来の野のハコベで、単に「ハコベ」とも呼ばれます。春の七草の1つですが、関東などでは秋にもよく咲きます。
丈は10-30cm、全体に柔らかでコハコベよりやや大きく、匍うより立ち上がる傾向が強い。葉は卵形、上部では無柄で茎に1列の並んだ毛が見られ、あまり赤味を帯びないものが多い。
花は6-7mmで、萼片より小さく、萼に埋もれて咲いています。花弁は基部まで裂けます。雄しべは4-10個、花柱は3裂。種子に突起があり、尖ります

コハコベとの区別は実際は容易ではなく、種子以外で確実な方法はありません。本種は茎はふつう赤みを帯びませんが、帯びるものも少なからずあり、コハコベも林縁のような場所のものは茎が緑色であることが多く、咲き進むと立ちあがってしばしば見分けがつかなくなります。

 

2016.4.2 更新
  • 全体
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  • 花3
  • 花4
  • 種子
  • 葉2
  • 葉3
  • 葉4
  • わかりにくいもの
  • わかりにくいもの2
  • 同・花
  • 同・種子
  • コハコベとの違い

ミドリハコベ-全体

コハコベとの区別は容易ではありません。印象としては、茎がコハコベよりよく立ち上がり、
全体にこんもりした感じになるものが多い様な気がします。(2014.4 千葉市)

ミドリハコベ-全体2

茎はかなり赤いですが、この株の雄しべは7-9個、茎葉も大きく、よく立ち上がっていて
本種と推定されます。花が終わると下を向く。(2013.3 千葉市)

ミドリハコベ-全体2

コハコベより葉がよく茂って立ち上がり、群生すると写真のように一面に拡がって
地面を覆います。(2016.3 千葉市)

ミドリハコベ-花

葉はコハコベより大きく、花序は葉に囲まれている印象になることが多い。
(2008.4 新潟県弥彦村)

ミドリハコベ-花

花弁は萼より小さく、花弁同士が重なります。雌しべの花柱は3裂、雄しべし4-10個。
写真は雄しべ9個で、コハコベと重ならない8個以上。(2008.4 新潟県弥彦村)

ミドリハコベ-花3

雄しべが少ないもの。種子で確認済み。
(2016.3 千葉市)

ミドリハコベ-花3

萼には腺毛が密生。
(2016.3 千葉市)

ミドリハコベ-参考

種子の突起がコハコベに比して明瞭です。径は1-1.1mm。この株の雄しべは8-9。
(2015.3 千葉市)

ミドリハコベ-葉

下部の茎葉。柄があります。上部も葉身は広卵形~楕円形。
(2015.3 千葉市)

ミドリハコベ-葉2

中間部の葉。柄なのか、葉身なのか・・・という感じ。
(2015.3 千葉市)

ミドリハコベ-葉3

上部は柄がなく茎を抱きます。茎に1列に並んだ毛が見られます。
(2014.4 千葉市)

ミドリハコベ-葉4

葉裏は無毛ですが、葉脈下部や縁に毛が見られることも多い。
(2016.3 千葉市)

ミドリハコベ-茎

茎には1列の毛が見られ、節には円周状に毛があります。
(2014.4 千葉市)

ミドリハコベ-全体4

葉も小さく、茎も赤くて地を匍う、誰が見てもコハコベですが、ミドリハコベです。
雄しべ8-10、種子でも確認。(2015.3 千葉市)

ミドリハコベ-全体5

外観で判別する方法はないかと思い、外観はコハコベであろうというものの花と種子を
いくつか観察したものの1つ。茎は赤く、葉が小さい。(2016.3 千葉市)

ミドリハコベ-花5

前タブの花。雄しべは6で、確率的にコハコベであろうと思いましたが、・・・。
次のタブへ・・・。(2016.3 千葉市)

ミドリハコベ-種子2

種子は突起が明瞭で、ミドリハコベでした。雄しべの数も含めて、
外観で100%判別するのは、やはり困難。(2016.3 千葉市)

身近にあって判断が難しい両種の特徴を、その違いによって区別した場合、どの程度判定できるかを表にしてみました。

 
判定の
確度
ミドリハコベ
コハコベ
全体の姿
やや立ち上がってこんもりする 最初は横に広がるものも 地を匍い横に広がる
4月になると立ち上がり気味
茎の色
普通緑色 赤いものもある 真っ赤は少ない 普通赤い 緑もある
茎の太さ
相対的に太いものが多い 相対的に細いものが多い
葉の大きさ
花の付く上部は大きく幅が広いものが多い 小さく幅がやや狭い
大きさのバラツキがある
葉腋間の長さ
やや短い やや長い
茎葉の毛
やや少ないがバラつく やや多いがばらつく
雄しべの数
4-10 希に3
7以下 多くは5以下
開花時期
△O
日当たりの良い場所なら
3月中旬頃から(南関東)
日当たりの良い場所なら
2月下旬頃から(南関東)
種子の形
尖り気味の突起がある 突起は鈍く、先がやや平


△ 参考になる程度 O グレーゾーンがある ◎ 判別できる
地域によって差はあると思いますが、よく言われる茎の色での判別は、あまり当てにならないことがわかりました。雄しべで確認したとしても、数の重なった部分があり、グレーゾーンが残ると思います。葯が落ちると見落としも出ます。