コミカンソウ属の不明種 Phyllanthus sp. aff. ussuriensis

2023.12.31 再作成

コミカンソウ属の不明種

分類
コミカンソウ科 コミカンソウ属
植生環境
開花時期
8-10月 道ばた 荒れ地?
地域
?
特記
 -
特徴

(観察による記述)
ヒメミカンソウとシマヒメミカンソウまたはP. virgatus(和種名なし)の中間的な特徴で、且つ、多年草と思われるもの。
全体の姿はP. virgatusに似て全体で噴水状の姿になる。基部は木質で横に匍う。非コミカンソウ型で当年の主枝にも葉が付く。主枝、側枝ともに斜上し長さ10-20cm、葉は長さ2cmほどの長楕円形~狭披針形で互生、葉裏は白っぽい。
花は葉腋に雄花と雌花が混ざって付き、雄花は2-4個、花被片と腺体は同数で4-6個、雄しべは2、時に3、雌花は1つで花被片が6個、花柱は3でそれぞれ2裂。果実は扁球形で径3mm、長さ2mmくらい、微細なイボ状突起がある。果柄は3mmほど。

付記
シマヒメミカンソウやP. virgatusに比して果柄が短い、雄花の雄しべ2のものが多数あること、それに反し、基部が明瞭に木質化し、2回以上の分枝が認められるなどが疑問点。
備考
エングラー : トウダイグサ科
類似種
ヒメミカンソウ : 一年草。雄花の萼片は4-5、雄しべは2。果柄は1-3.5mm。
シマヒメミカンソウ (P. simplex) : 一年草。雄花の萼片は6、雄しべは3。果柄は4.5-6mm。茎の基部はやや木質化する。下記のP. virgatusから分けられた。南~東南アジア、中国南部、北西大平洋諸島(含む沖縄)に分布。
P. virgatus (和種名なし) : 多年草または一年草。シマヒメミカンソウに似るが、より柄が長く、果実のイボ状突起が明瞭。南西大平洋諸島~オーストラリア等に分布。
ナガエコミカンソウ : 一年草。雄花の萼片は5、雄しべも5。葉は広卵形~倒卵形、果柄は5mm。
撮影地
2023.9 千葉市

コミカンソウ属の不明種

田んぼ脇の農道沿いで10株ほどが点在していた。大きい株では全体が噴水状になるが、小さな株ではヒメミカンソウによく似た姿だった。 (2023.9 千葉市)


コミカンソウ属の不明種

花は葉腋に雌花1つと1-3個の雄花が散形状に付く。どちらも径1mm、花弁はない。
雌花 花柱3でそれぞれ2裂、萼は6であまり平開しないようだ。柄は雄花より太い。 
雄花 多くは雄しべ2だが、時に3つある、萼片は4-6、腺体が萼片と同数。 (2023.9 千葉市)



果実は径3mm、長さ2mmほど、表面にごく微細な突起がある。ヒメミカンソウとほぼ同じと感じた。 (2023.9 千葉市)



葉は長さ2cmほどの長楕円形~狭披針形、多くは鈍頭、基部にごく短い柄がある。葉裏は白っぽい。托葉はごく小さく、三角形。 (2023.9 千葉市)


コミカンソウ属の不明種

基部は木質。ふつう分枝回数は1回と思われ、木質化している太い部分は前年のものではないかと・・・。この部分には葉ついていいなかった。多くで同様であったため、ここから多年草と想像した。 (2023.9 千葉市)


コミカンソウ属の不明種

当年枝の主枝はやや木質化、葉が付き、下部~中部で側枝を出す。側枝は長さ10-20cmほど。 (2023.9 千葉市)