ガクアジサイ Hydrangea macrophylla f. normalis

2024.7.9 更新

ガクアジサイ

分類
アジサイ科 アジサイ属
植生環境
海岸 里 山地
開花時期
6-7月 草地
地域
房総 三浦 伊豆 伊豆諸島~小笠原
特記
 -
特徴
すべてが装飾花からなる園芸アジサイ(f. macrophylla)の元になった品種。全体にヤマアジサイより大きい。
丈は2-3m、葉は大きく、厚みがあって強い光沢があり、広長楕円形~卵状広楕円形で先は尖り、基部はくさび形~円形、縁には鋸歯があります。表は無毛、裏面脈上にわずかに縮毛があります。
集散花序は径10-20cm、装飾花は径3-4cmと大きく、萼片は広卵形~円形、白~ごく淡い青。両性花は青色で花弁5、雄しべ10、花柱3-4。
園芸種も多いが野生でも変異が見られ、装飾花の縁に鋸歯があるものもよく見られ、ピンクに染まるものはガクソウと呼ばれる。
付記
学名先取権の都合でアジサイが基準品種。
異論
アジサイ属をHortensiaとする見解がある。
備考
エングラー : ユキノシタ科
類似種
ヤマアジサイ : 葉は長楕円形~卵状楕円形、質は本種より薄い。花序が5-10cm程度と小さい。
エゾアジサイ : 葉は広楕円形~卵状広楕円形、質は本種より薄く光沢は鈍い。装飾花の萼片は菱状円形で青色~淡青色。
撮影地
2011.7 千葉県鴨川市

ガクアジサイ

房総では日当たりのある山の斜面などでよく見かけます。 (2020.6 千葉県一宮町)


ガクアジサイ

装飾花の萼片は広卵形~円形で4つ、時に3つ、基本色は白~ごく淡い青、先が丸いものからやや尖るものまであり、鋸歯が見られるものもある。 (2020.6 千葉県一宮町 / 2024.6 千葉県いすみ市)


ガクアジサイ

装飾花の萼片に鋸歯が見られたもの。 (2024.6 千葉県いすみ市)


ガクアジサイ

葉は厚みと光沢があり、長楕円形~卵状楕円形、長さ10-15cm。側脈は5-9対。枝は無毛。 (2019.6 千葉県一宮町)


(品種) ガクソウ  f. rosea

ガクアジサイ

装飾花がピンクのガクアジサイ。このあたり、ガクアジサイは海食崖の崩壊堆積斜面で見られることが多いが、これもその1つ。自生と思われる。これより淡い色のピンクは近隣で複数見られた。なお、ベニガクアジサイ(ベニガク)はエゾアジサイとの雑種と想定されるもので、葉はやや小型で先は鋭尖頭、装飾花の萼片は周囲が濃ピンクで内側が淡色になる点で本種とは異なる。 (2024.6 千葉県いすみ市)