イヌノフグリ

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 オオバコ科 Plantaginaceae
 ゴマノハグサ科 Scrophulariaceae
かつはて普通みられたそうですが、外来種に負けて急激に減少してしたと言われる種。
丈は10-25cm、根本付近で枝を分け、地を匍って拡がります。葉は下部では対生、上部では互生し、卵円形、数対の鋸歯があって両面に微毛があり、短柄が見られます。
花は葉腋に付き、赤紫色で3-4mmほどと小さく、まばらに咲きます。果実は名の由来になった形で、球形を2つ繋いでやや平たくした感じです。

 

2018.3.4 更新
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イヌノフグリ-全体

光陽地にありましたが、 オオイヌノフグリとは異なり、
林内の斜面で見つかりました。(2013.4 千葉県市川市)

イヌノフグリ-全体2

駐車場の砕石にあったもの。このような場所で多く見られます。花は小さく、立ったままでは咲いているかどうか、私の視力では確認できない。(2013.4 千葉市A)

イヌノフグリ-全体3

下部で分枝して茎を放射状に伸ばし、上部ではほとんど分枝しない。茎の上部は斜上して少し立ちあがりますが、茎が伸びればその部分も倒れて匍う。(2013.4 千葉市A)

イヌノフグリ-全体4

古い住宅地のアスファルトと縁石の間の割れ目に根を下ろしていました。
再舗装されたら絶えてしまうと思われます。(2015.4 千葉市C)

イヌノフグリ-全体5

海岸近くの集落を抜ける古くて細い未舗装の道沿いにあったもの。
ここには沢山あった。(2015.4 千葉県館山市)

イヌノフグリ-全体6

古い石垣の割れ目で見られたもの。
(2018.3 千葉県館山市)

イヌノフグリ-全体7

(2016.2 千葉市A)


イヌノフグリ-花

他よりひとまわり小さいのが下側の裂片。他の裂片も基部は白く、先端は淡いピンク。
上側の裂片は濃い赤紫色の線状の斑が目立ち、色が濃く見えます。(2013.4 千葉市B)

イヌノフグリ-花2

花冠基部は毛のようなもので塞がれていて上から子房は見えない。
(2018.3 千葉県館山市)

イヌノフグリ-花3

(2016.2 千葉市A)


イヌノフグリ-葉

上部の葉は互生。葉の幅は1cm強でした。下部の葉は対生。
(2013.4 千葉県市川市)

イヌノフグリ-葉2

茎には曲がった毛がややまばらに見られました。葉の縁にごく微細な毛が
見られますが肉眼では確認できないレベル。(2014.3 千葉市A)

イヌノフグリ-葉3

葉に粗い毛が見られたもの。
(2015.4 千葉市B)

イヌノフグリ-葉4

茎、葉柄には屈毛が密生し、葉裏全体にも毛が多く見られました。
(2018.3 千葉県館山市)

イヌノフグリ-葉5

茎が伸び始めたばかりの葉。対生している。
(2014.3 千葉市A)

イヌノフグリ-実

花は多く見ない割に果実の付きが良く、葉腋ごとに1つずつ見られました。
一番左のものは裂開後。(2015.4 千葉市B)

イヌノフグリ-実2

名の元になった姿。良く見ると、左右に分かれた果実の中央にも線状の窪みが見られます。果実が熟すとここが裂けて種子を散らします。(2013.4 千葉市B)

イヌノフグリ-種子

種子は果物の実を半分に割ってくりぬいた様な形。約1.2mmくらい。
右のメモリ幅は0.5mm。(2015.4 千葉市)

イヌノフグリ-芽出し

まだ株の径が1cmにも満たないくらいのもの。
これでも、暖かくなって大きくなり始めた状態。(2016.2 千葉市A)

イヌノフグリは外来種のオオイヌノフグリに追いやられて減少したと言われますが、現在見られる自生環境に若干の違いがあり、単純ではないように感じました。

オオイヌノフグリ 
多少湿り気のあるところ
草地 田畑のまわり 土手 公園 道ばた(土)
イヌノフグリ 
乾き気味のところ 水はけの良いところ
礫地 砂利びき 石垣 道ばた(縁石・礫)


千葉市内では自然環境に恵まれている所ではなく、街中の古い砕石の駐車場や道路の縁石の割れ目など、人の生活環境で見られます。そのような場所ではオオイヌノフグリがすぐ近くにあってもイヌノフグリが優勢で、この状況は長い期間維持され、棲み分けられているように見えました。むしろ、同様の環境でも生育するタチイヌノフグリと競合するように見えました。

イヌノフグリの減少は外来種の要因もあるかも知れませんが、人の生活環境の廻りが適地であったために、石垣をコンクリートにしたり、道路を舗装したりといった、人為的な要因が減少の主たる要因のような気がします。今ある千葉市内の自生場所も、再舗装など施されれば多くの場所が絶滅すると思われ、保護は困難と思われます。