アサザ Nymphoides peltata

2024.7.7 更新

アサザ

分類
ミツガシワ科 アサザ属
植生環境
開花時期
6-10月 湖沼
地域
本州以南
特記
準絶滅危惧
特徴
池などの岸辺付近を埋めるように繁殖する水草です。
葉は水面に浮かび、卵形~円形で径5-10cm、基部は深く湾入し、柄が盾状に付きます。縁には波状の歯牙があり、厚みがあって裏面は紫色。はじめは両側からクルッと巻いて出てきます。
花は節に束生し、径3-4cm、花冠裂片の縁はフリル状に裂けています。花は1日花で午後になると閉じます。萼は披針形で縁に毛が見られます。果実は卵形。
付記
近年、本種について様々な検証が進み、花柱が雄しべより短い短花柱花、雄しべより長い長花柱花の他に、雄しべとほぼ同長の等花柱花の型も確認されている。また、実験環境では短花柱花どうし、長花柱花どうしでも結実が確認されている。多くの自生地がクローン繁殖してきたため、自家不和合生により果実が出来にくくなっている可能性も指摘されている。
備考
エングラー : ミツガシワ科
類似種
 
撮影地
2020.6 千葉県印西市

アサザ

葉は径5-10cmの卵形~円形で深く湾入する等、スイレン科の葉に似ます。 (2020.6 千葉県印西市)


アサザ

花は節に複数が束生し、長い柄を水上まで伸ばして多くは1つずつ咲く。径3-4cm、裂片の縁はフリル状。写真は短花柱花。 (2012.10 栃木県小山市)


アサザ

短花柱花。花柱は柱状で雄しべより短い。葯は裂開するとY字状になるように見えた。 (2024.6 茨城県)


アサザ

果実は卵形、大きいものでは萼片の2倍長あった。この株は短花柱花株のようだった。果実が見られたものは全体のごく一部の株のみだったが、その株では多数付いていた。もし長花柱花に果実が付けば、残存花柱部分はもう少し長くなるのだろうか? (2024.6 茨城県)


アサザ

採取させていただいた1個の果実には18個の種子が入っており、まだ少し未熟なようだが、毛状の部分を除き、実測値(10個)は長さ4.0-4.2mm、幅2.5-2.6mmの偏平な卵形、縁にある毛は最長1.0mmでした。熟すと茶褐色になり、水面に浮かんで広がる。なお、写真は作業の途中でミスがあり、毛の一部が短くなってしまっている。 (2024.6 茨城県)


アサザ

葉は水面に浮かび、卵形~円形で径5-10cm、縁に目立たない波状の歯牙がある。 (2020.6 千葉県印西市)