ゴゼンタチバナ

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ミズキ科 Cornaceae
亜高山帯などでよく群生している姿を目にします。
葉は6輪生状(4輪生と対生が接近)で、花の付かないものは4輪生状(対生2対が接近)、長さ2-8cmの倒広卵形~菱状楕円形。
花は茎頂に4弁花に見える花序を1つ付けます。花弁に見える総苞片は4、中央に10-35個の花が密に付きます。
総苞片が緑色のものをミドリゴゼンタチバナと呼ぶことがありますが、開花直後は総苞片は緑色を帯びており、分けない。

 

2017.9.9 更新
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  • ミドリゴゼンタチバナについて

ゴゼンタチバナ-全体

葉は花序を付ける株では6枚、付けない株では4枚が輪生。
葉は広楕円形。(2007.7 礼文)

ゴゼンタチバナ-全体2

(2013.6 秋田県 旧・田沢湖町)


ゴゼンタチバナ-全体2

花の付く株の葉は通常4輪生+1対、花の付かない株の葉は2対偽輪生。
(2013.7 長野県八ヶ岳)

ゴゼンタチバナ-全体4

果期。アクセサリーになりそうなかわいい実です。
(2009.8 八ヶ岳)

ゴゼンタチバナ-花

花に見えるのは花序、茎頂から1本の花柄を伸ばして1花序が付きます。
花弁様の総苞の内側にあるのが花で、10個以上あります。(2008.7 吾妻山)

ゴゼンタチバナ-花2

小花は花弁4、雄しべ4、黒い子房から花柱が伸びています。
(2013.7 長野県木曽駒ヶ岳)

ミドリゴゼンタチバナ-全体
写真のように総苞が開き、小花が未開花のような開花初期においては、
総苞片は淡緑色をしているものが多い。
ミドリゴゼンタチバナの俗称がこれを指すかは不明。(2014.6 秋田県森吉山)

ゴゼンタチバナ-実

(2017.9 長野県湯の丸高原)


ゴゼンタチバナ-葉

葉が6輪生に見えるものは、4輪生と対生する葉が接近して付いた偽輪生。
写真の矢印の2枚の葉がずれており、これが対生する葉。(2014.6 秋田県森吉山)

ゴゼンタチバナ-葉2

葉表。寝た毛が見られました。
(2014.6 秋田県森吉山)

ゴゼンタチバナ-葉3

花の付かない株は葉が2対偽輪生で、6輪生状にはならない。
(2015.7 北ア・白馬岳)

ミドリゴゼンタチバナとは、総苞片が淡緑色をいているものを指しますが、ゴゼンタチバナの総苞は、総苞展開時においてはみな淡緑色をしており、小花開花時においても緑色が残るものが少なくないようです。

総苞が淡緑色のものは多かれ少なかれ全ての個体でありうると思われますから、「別形状」としても分けないこととしました。

 

注:本サイトの 「別形状」 とは、synonym とされた種に外観上の差異があるものにつき、旧名称(別名)を用いてその形状を示しています。従って、統合した種名では別名となる形状は含まれず、別名も不適当との判断をしています。