ハマボウフウ

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セリ科 Apiaceae
セリ科 Umbelliferae
砂丘帯や砂浜の直接波のかからない所で見られる植物。
丈は10-40cm、全体に毛が多く茎には密生しています。葉は厚みがあって1-2回3出羽状複葉で、裂片は2-5cmで幅が広くて先が丸く、縁に鋸歯が見られます。基部は拡がって茎を抱きます。
花はとても密な散形花序に付き、花序の柄や小花柄にはびっしりと軟毛が見られます。
砂浜の開発やレジャー利用、加えて花以外は食用になり、特に若い葉はよく食されるため、減少しています。

 

2020.8.2 更新
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ハマボウフウ-全体

このような大きな株もありました。
(2012.7 青森県鰺ヶ沢町)

ハマボウフウ-全体2

葉柄も茎もほとんど砂に埋まっていました。
(2011.5 千葉県館山市)

ハマボウフウ-全体3

(2019.7 青森県八戸市)


ハマボウフウ-全体4

砂に埋もれないとこんな姿。これが本来のこの植物の形なのでしょうが、
こんな姿で見られるのはレア、らしくない。(2020.7 千葉県富津市)

ハマボウフウ-果期

砂に埋まりかけているものも少なくない。
(2019.6 千葉県一宮町)

ハマボウフウ-果期2

果期。ほぼ完熟状態。
(2016.8 青森県鰺ヶ沢町)

ハマボウフウ-果期3

最後は全体が崩れてその場に散らばる。その後海風で種子が飛ばされ、
拡散されていくのだと思う。(2020.7 千葉県富津市)

ハマボウフウ-花

小花序には花が密なつき、花序の柄には毛が密に付いています。
(2016.6 青森県八戸市)

ハマボウフウ-花2

茎にも毛がびっしり生えています。
(2011.5 千葉県館山市)

ハマボウフウ-蕾

(2011.5 千葉県館山市)


ハマボウフウ-実

小花序が1つの果実のように丸くまとまります。
(2014.6 新潟県村上市)

ハマボウフウ-実2

果実は毛で覆われています。
(2017.7 青森県鰺ヶ沢町)

ハマボウフウ-実3

完熟状態の果実。触るとポロポロ落ちる。
(2014.9 青森県八戸市)

ハマボウフウ-実4

落果した果実。
(2016.7 千葉県富津市)

ハマボウフウ-葉

葉は1-2回3出複葉。小葉には厚く強い光沢があります。
(2011.5 千葉県館山市)

ハマボウフウ-葉2

葉の葉脈沿いに毛が見られますが、脱落して見られないこともあります。
(2016.6 千葉県 旧・一の宮町)

ハマボウフウ-葉3

葉の表面には、目視できない非常に微細な毛(50μm以下)が多く見られます。
(2015.11 千葉県一の宮町)

ハマボウフウ-葉4

葉裏。葉序の軸や葉脈に毛が見られますが、この毛も砂などとこすれて
見られないものもあるようです。(2016.6 千葉県 旧・一の宮町)

ハマボウフウ-葉5

葉裏。縁に厚いクチクラ層があり、葉の縁が白く見えるのはこの為のようです。
面にも非常に微細な毛が見られます。(2015.11 千葉県一の宮町)

ハマボウフウ-葉6

葉の基部は少し膨らんで拡がって茎を抱きます。節に毛が密生していました。
(2015.6 青森県八戸市)

ハマボウフウ-群生

護岸や踏み荒らし、食用採取などで大幅に数を減らしていますが、
本来はこのようになる植物のようです。(2014.6 青森県深浦町)

ハマボウフウ-芽出し

芽吹いてまもないもの。種子はあまり遠くに拡散しないようで、
まとまって見られることが多い。(2020.7 千葉県富津市)

ハマボウフウの若い葉は西日本では昔からよく食べられるようですが、食べたことがなかったので葉を少し頂いて試食してみました。

秋取りのせいか、若い葉でも生食では紙質で固く、ちょっと・・・という感じでしたが、さっと湯通しするとそこそこ柔らかくなりました。

味はセリに似ますが、後味にミント系の爽やかな感じが微かに残りました。

イタリアン・・・特にトマト系に合うと思い、粗く刻んんだものを仕上げに自家製ナポリタンに振りかけてみたところ、そこそこでした。
ガーリックとの相性も良いようでした。
好みにもよりますが、2人前で葉1枚程度が適量のように感じました。

酢味噌和えも試みましたが、セリのほうがいいなという感じで、ハーブ系の食材の印象を持ちました。

 地域によっては著しく減少しており、絶滅危惧に指定されている都道府県もあります。採取は最小限に、1株で1-2枚、かつ葉のみ丁寧に採取していただき、株を絶やさぬように注意して頂くと良いと思います。