ケンポナシ Hovenia dulcis

2024.6.25 更新

ケンポナシ

分類
クロウメモドキ科 ケンポナシ属
植生環境
里 山地
開花時期
6-7月  
地域
奥尻島 本州 四国 九州
特記
 -
特徴
高さ25mになることもある落葉低木。枝は紫褐色で無毛、小さな皮目がある。葉は長さ10-20cmの広卵形、先は鋭尖頭、基部は円形~切形、不揃いな鋸歯がある。ふつう裏面は無毛、葉柄は2-5cm。
花は枝先や上部の葉腋に集散状に付き、径7mm、花弁5は萼裂片5より少し長く、雄しべと共に反り返る。果実は球形で径7mm、花序軸は著しく肥厚する。
備考
エングラー :  クロウメモドキ科
類似種
 
撮影地
2023.10 千葉市

ケンポナシ

かなりの大木になり25mくらいになるものもあるようだが、ここでは10m前後。上から下まで枝先などに沢山の花序を付けていた。 (2024.6 千葉市)


ケンポナシ

花序は遠目には枝先に大きな花序が1つずつ付くように見えたが、よく見ると、新枝の葉腋ごとに1つずつ集散花序が付いていた。 (2026.6 千葉市)

ケンポナシ

花は径7mmと図鑑には記載されていたが、ここではそれより小さいようだった。写真左の花は咲きはじめで、花弁に見えるのは萼片(A)で5、この段階では花弁(B)は雄しべを包んでいて葯の先端だけ見えていた。写真右の花は花弁(B)が開き始めた状態で、雄しべがその上に載るような姿になるが、両者は合着していない。完全に開花すると花弁は萼片より僅かに長い。萼片、花弁、雄しべはいずれも反り返る。萼片中央には稜がある。花柱は2-3岐。花盤に毛が密。 (2024.6 千葉市)

ケンポナシ

果序。軸が果期に膨らみ、果実より目立ってグロテスクな感じで、初めて見た時は虫こぶかと思った。膨れた果序軸は梨のような香りがあり、食べられる。恐る恐る試してみたが、意外にも甘くて洋梨のよう。果実(矢印および同形のもの)は7mmの球形、熟すと柄ごと落果する。 (2023.10 千葉市)

ケンポナシ

葉は広卵形、先は鋭尖頭、基部は円形~切形、葉表には光沢がある。ふつう不揃いな鋸歯があるが、ここのものの鋸歯は極めて微小だった。ケケンポナシのなうな裏面脈上に褐色の毛もあったが、枝には毛はなく、小さな皮目が見られるなど本種の特徴だった。 (2023.10 千葉市)