サルナシ

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マタタビ科 Actinidiaceae
ツルは非常に丈夫で腐りにくく、四国の有名な「かずら橋」の材料として知られます。
つる性植物。雌雄別株。
葉は6-10cmの楕円形~広卵形で革質、縁に細かな鋸歯が見られます。
花は1-1.5cmで下向きに咲き、花弁・萼ともに5個。両性花の花柱は噴水状。果実は11月に熟し、非常に美味。

 

2018.10.21 更新
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  • サルナシの食べ頃

サルナシ-全体

葉柄は赤く固い毛と軟毛があります。
(2018.5 茨城県筑波山)

サルナシ-全体2

木から垂れ下がっていたものを撮影。
(2018.5 茨城県筑波山)

サルナシ-全体3

(2018.5 茨城県筑波山)


サルナシ-花

花は1-1.5cm、葯は黒い。写真は雄性花のようです。
(2018.5 茨城県筑波山)

サルナシ-花2

萼は卵形でした。
(2018.5 茨城県筑波山)

サルナシ-実

花が終わって間もない若い果実。萼や花柱が残っているが、熟すまでに萼は失われる。
花柱の残骸は残るので、果実採取の目安になる。(2018.5 茨城県筑波山)

サルナシ-実
軽く触って柔らかければ食頃。全部まるごと食べられる。非常に美味、秋の日本の野山の最高のデザート。味はキュウイフルーツに似るが、完熟のものはより甘みがあり、酸味が弱い。僅かにエグミがあるが大量に食べなければ気にならない。(2018.10 旧・湯之谷村)

サルナシ-葉

葉は楕円形~広卵形、革質、細かな鋸歯が見られます。
(2018.5 茨城県筑波山)

サルナシ-葉2

葉裏。脈腋に毛が見られました。
(2018.5 茨城県筑波山)

サルナシは「皮ごと食べられるキュウイフルーツ」みたいな果実です。
非常に美味ですが、採取時期によって大きく味が異なります。

・もぎ取る時に柄が取れてしまうくらい柔らかいと完熟状態で最高に甘いです。酸味は少ないです。見かけは、皮に僅かに縦皺が入って少ししなび始めた感じに見えます。この状態のものは簡単に潰れてしまい、持ち帰ると見るも無惨になってしまうので、その場ですぐお召し上がりください。

・柔らかくなったのにまだ皮に張りのあるものは、皮際に酸味が残っていることが多いです。甘みに加えて少し酸っぱい感じが好きな方はこの状態のものがお勧め。この状態のものは2-3日程度冷蔵庫で保存できますが、少し味は落ちます。

・固いものは生の芋を食べてるようなかりかりした食感でおいしくありません。採取後、常温でリンゴと一緒にビニール袋に入れて数日おくと早く熟します。ただ、どうしても甘さは控えめになりますし、皮際の酸味は残りますから、現地で食べるほどにはおいしくなりません。

家で食べるのなら八百屋のフルーツのほうが断然おいしいので、野山のデザートは味も雰囲気も、その場で召しあがって頂くのが最高です。