トチノキ Aesculus turbinata

2025.5.7 更新

トチノキ

分類
ムクロジ科 トチノキ属
植生環境
里 山地
開花時期
5-6月 沢沿いに多い
地域
札幌市以南
特記
 -
特徴
葉は5-9小葉からなる掌状複葉で、中央の小葉が最も大きく、13-30cmの倒卵形で、先だけ急に尖る。
花は15-25cmの円錐花序に付き、多数の雄花が上部に、少数の両性花が下部に付く。花はいずれも径15mm、花弁は4つではじめは白花、後に中央下部に赤い斑が入る。雄しべは7個で長く突き出し、上方に湾曲します。朔果は径3-5cm、イボ状突起があり、熟すと3裂、種子は1-2個でクリに似る。
備考
エングラー : トチノキ科
類似種
セイヨウトチノキ(マロニエ) : 葉はやや小ぶり、花は全体が淡いピンク色、朔果に短く鋭い刺が多数ある。
ベニバナトチノキ : 花は濃いピンク色。葉に粗い重鋸歯がある。アカバナアメリカトチノキとセイヨウトチノキの雑種 (園芸種)
ホオノキ : 大きな単葉が枝先に集まるので葉の印象が似るが、花は枝先に1つで径15cm。モクレン科。
撮影地
2017.5 青森県西目屋村  他
<余談>
本種を含め「マロニエ」と呼ぶことがある。(俗称) マロニエ(Marronnier)は"Marron(マロン)"の木(セイヨウトチノキ)の意味。フランス語で"Marron(マロン)"は栗ではない。栗は"châtaigne(シャティーニュ)"。洋菓子のマロングラッセで栗を用いたのはパリの栗売りの洒落心が発端らしい。そもそもフランス人、マロニエの実は食べないと思う。

トチノキ

円錐花序は15-25cm、上部~中間部は雄花、下部に少数の両性花が付く。下から見上げると花弁の赤い斑が目立たないことがある。 (2017.5 青森県西目屋村)

トチノキ

花は径15mm、花弁4で赤い大きな斑が入る。写真はほぼ全て雄花と思われる。 (2024.5 福島県喜多方市)

トチノキ

果期。まもなく3裂して全体が落果する。 (2024.8 千葉市)


トチノキ

朔果は径3-5cm。表面にイボ状の突起がある。10月頃、熟すと3裂、中はクリのような光沢がある黒褐色の大きな種子が1-2個入っている。縄文時代から食用にされ、栃餅などにも用いられるが、生のままでは食べられない。アク抜きに1カ月ほどかかるなど、処理はなかなか大変。 (2024.8 / 2023.10 千葉市)


トチノキ

葉は5-9小葉からなる掌状複葉。中央の小葉が最も大きく13-30cm。 (2008.6 秋田県鹿角市)