(雑) アイノコセイヨウタンポポ Taraxacum officinale x T. platycarpum

2023.3.21 更新

アイノコセイヨウタンポポ

分類
キク科 タンポポ属
植生環境
開花時期
3-5月 野原 道ばた
地域
関東周辺 ?
特記
 -
特徴
カントウタンポポのような2倍体のタンポポはセイヨウタンポポのような3倍体以上のタンポポと容易に交雑します。セイヨウタンポポと思われていたものの8-9割はこのような交雑であることが最近の研究で明らかになっています。次のようなパリエーションがあります。
1.総苞片は開出し、且つ・・・a.突起がある b.外片の幅が広い c.内片が外片の2倍長 のいずれか。
2.総苞外片のみ開出する。
3.総苞片は開出しない、且つ・・・a. 密着度が緩い b.外片が細い c.内片が外片と同長か少し長い程度 のいずれか。
どれか1つ当てはまれば、交雑が疑われます。
備考
エングラー : キク科
類似種
カントウタンポポ : 総苞外片・中片は卵状楕円形~長楕円形で開出せず、角状突起がある。内片は線形で長さは外片の2-3倍。開花は春のみで夏は地上部は枯れる。
セイヨウタンポポ : 総苞外片。中片は線状披針形~広線形で開出、内片は同形でやや長い。いずれにも角状突起はない。
撮影地
千葉市

本種はセイヨウタンポポの花粉がカントウタンポポで受粉して誕生しますが、セイヨウタンポポの花粉は1-3倍体の3種類があるため、どの花粉で受粉するかにより形状が異なります。また本種には花粉を作れるものが多くあり、以下、1例を掲載します。

アイノコセイヨウタンポポ

最外片のみ反曲して突起があり、中片が卵状楕円形。典型として知られた型だが、本種の1例に過ぎない。

アイノコセイヨウタンポポ

カントウタンポポに似て内片が長く外・中片が卵形だが、片が密着しておらず緩い。

アイノコセイヨウタンポポ

カントウタンポポに似るが、総苞片の密着が緩く、内片が短い。


アイノコセイヨウタンポポ

セイヨウタンポポに似るが、片の先端に明瞭な突起がある。


アイノコセイヨウタンポポ

花粉の量が少ないことも多いそうだ。