トウヒレン属 例外的な不明種2 <北岳>

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キク科 Asteraceae
キク科 Compositae
(観察による記述)
丈は20-40cm、葉は羽状に激しく裂け、裂片は更に粗く裂けます。上部の葉はごく小さい。
頭花は散房状にまとまって付き、総苞は細い鐘形、片は5-6列、先は急に細まって開出します。

 

2017.2.27 作成
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参考
標高3100m付近にあったもの。写真の2株とも、葉が羽状に激しく裂けていて20cm前後、丈は30-50cmくらいだったと思う。岩陰とはいえ、この標高でこの丈の植物は異様。左下のイワベンケイと比へるとスケールが判って頂けるかと・・・。(2010.8 北岳)

不明種-花

頭花のカットはこれ1枚しか撮影されておらず、頭花が密という以外は何も読み取れない。
日帰り登山だったので、帰りのバスの時間が気になった・・・?(2010.8 山梨県北岳)

不明種-葉

葉は羽状に激しく裂け、裂片は欠刻状。
シラネヒゴタイ
の葉を大きくして裂ける深さを深くしたらこんな感じかもと思えました。
茎に少し翼があるようにも見えます。(2010.8 山梨県北岳)

不明種として掲載しているものは、原則として複数箇所である程度の数のまとまりのあるものを掲載しています。
ただ、この型のトウヒレンに限っては、1箇所のみでごくわずかしかないものですが、あまりに突飛な外観で、且つ、驚くような場所にあったことから掲載しました。

あくまで勝手な(根拠のない)想像ですが・・・

北岳大樺沢左股の標高2600m付近まで、ヤハズヒゴタイ(ミヤマヒゴタイの型=ヤハズヒゴタイの南ア型)があり、その花粉を付けた虫がその直上にあるバットレスを吹き上げる風に巻き上げられて3100m付近まで運ばれ、その付近に多数あるシラネヒゴタイに受粉した・・・というシナリオです。(母種シラネヒゴタイ、父種タカネヒゴタイ という仮説)

葉が羽状に激しく裂けていますが、シラネヒゴタイの葉も不規則に羽状に裂けており、葉が大きくなることで極端に現れたのではないかと思います。

写真の場所からバットレスの断崖まではさほど離れておらず、こんな想像をしましたが、アザミ属、トウヒレン属は虫媒ですので、交雑はこのようにある種の群落の中に突然異質なものが入って始まることが多い(交雑の経緯がわかりやすい)と認識しております。
もし、交雑だとしたら、母種のシラネヒゴタイは確実かと思いますが、シラネヒゴタイの単なる突然変異(奇形)である可能性も高いと思います。