ムクゲアカバナ (ススヤアカバナ) Epilobium parviflorum

2024.11.2 更新

ススヤアカバナ

分類
アカバナ科 アカバナ属
植生環境
開花時期
7-9月 湿生地 休耕田
地域
(自然帰化種) 茨城 千葉 富山 石川
特記
 -
特徴
比較的最近に渡り鳥により自然帰化したと考えられる種。
丈は0.8-1.4m。全体に開出した毛が非常に多く、茎や葉の両面に密生し、灰緑色に見えます。茎は固く、基部は半ば木質化します。葉は長楕円状披針形で長さ2-9cm、先端は尖り、基部は円形、短柄があり、茎は抱きません。
花弁は長さ4-7mm、花柱先端は4裂し、それぞれ棍棒状で直立しますが、接して付いて1つに見えることも多い。果実は長さ4-5.5cm、腺毛がやや密生する。
備考
ススヤアカバナの名が付けられたサハリン産の標本がエゾアカバナと判明したため、ムクゲアカバナと改名された。(日本の野生植物3) 但し学名は以前のススヤアカバナと同じ。
付記
千葉県内の自生は、最初の発見(2013.9 千葉市若葉区小倉町) から10年以上たち、千葉市~印旛沼周辺~栄町、香取市等で多数確認できるようになった。その要因として、1.生育に適したヨシが生い茂る前の新たな放棄田が毎年多数生じている 2.このエリアが関東の風の通り道でタシギのような渡り鳥が運び役になっいる・・・が想像される。
備考
エングラー : アカバナ科
類似種
オオアカバナ : 花弁は8-20mm。花柱は長く伸びる。葉は無柄。
エゾアカバナ : 丈は~1m、葉身は卵形~狭卵形、茎や毛は短く、上方向に曲がる。花弁は6-10mm。
その他のアカバナ : 柱頭は分裂しない。(棍棒状または頭状 )
撮影地
2015.8 千葉市  他

ススヤアカバナ

放棄田が増えたせいか、近所では自生地、個体数ともにだいぶ増え、一部では群落を作っています。が、ヨシなどが侵入すると見られなくなってしまうので、継続的に見られる自生地は限られています。 (2020.8 千葉市)


ススヤアカバナ

上部でよく分枝し、上部の側枝は横に伸びる傾向が見られました。全体に軟毛が顕著に見られる。 (2014.7 千葉市)


ススヤアカバナ

花の大きさは普通のアカバナとあまり変わらないが、柱頭は4裂で裂片は棍棒状。葯が裂開する前でははっきり確認出来ました。。萼や子房にも開出した毛がある。 (2018.8 / 2014.7 千葉市)



葉は長楕円状披針形。先は尖り、基部は円形でごく短い柄があるようにも見えました。両面に密に毛があり、ややビロード状。 (2018.8 千葉市)



茎には軟毛が密生しています。葉裏脈上にも軟毛が密。 (2014.7 千葉市)