グラジオラス・トリスティス 

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アヤメ科 Iridaceae
グラジオラスの原種の1つ。各地で逸失が確認されています。
(観察による記述)
丈は最大1mほどになり、葉は細く筒状になる。
花は長い花茎に2-5個程度総状に付き、花径5-6cm、長さ10cm程度のユリのような花を付けます。花被片は淡黄色で中肋は淡黄緑色、内側に毛があり、先は短く針状。花被片の下部は合着し、合着部分には透明線がある。基部に長い苞があり、開花時も花の筒部の下部と子房を覆う。

 和種名は判らず、学名のままにしましたが、通称に習い、グラジオスで表記しました。(学名の発音はグラジオス)

 

2020.7.15 作成
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  • グラジオラスとトウショウブ

グラジオラス・トリスティス-全体
早春の南房の海岸に点々と見られるこの植物、やっと判明しました。
千葉県の外来種の報告書にも掲載されていました。
他地域でもあちこちで見られるそうです。(2016.4 千葉県館山市)

グラジオラス・トリスティス

まだ咲き始めで小さいハマダイコンに囲まれて・・・。
(2010.4 千葉県館山市)

グラジオラス・トリスティス-全体3

このままだと庭植えにするには地味・・・もう少し花が付くのだろうか?
(2010.4 千葉県館山市)

グラジオラス・トリスティス-花


花は大きいが、数はせいぜい5個程度まででした。
(2010.4 千葉県館山市)


ぐらじおらす・トリスティス-花2

花径は5-6cmくらい。花被片の中肋は淡黄緑色、先が針状に尖っていました。
花被片内側に毛がある。(2010.4 千葉県館山市)

グラジオラス・トリスティス-花3

花柱は3裂、雄しべは3、葯は各2。花被片は合着し、合着部は透明線になっていた。
(2010.4 千葉県館山市)

グラジオラス・トリスティス-花4

柱頭部。先が拡がっている。
(2016.4 千葉県館山市)

グラジオラス・トリスティス-花5

基部は長い苞に包まれています。苞まで入れると、長さは10cmくらいある。
写真は2枚合成しています。(2016.4 千葉県館山市)

グラジオラスとトウショウブは、とかく同じものであるとされることがありますが、異なる雑種です。

グラジオラス(基本種) : Gladiolus x colvillii (G. tristis x G. cardinalis の人工交配種)

トウショウブ : Gladiolus x gandavensis (G. natalensis x G. oppositiflorus の人工交配種)

本種は基本種グラジオラスの片親(赤字)ですが、トウショウブとは関わりません。
ただし、様々な園芸種のグラジオラスの中には、基本種グラジオラスに改良を加える際にトウショウブやその親と交配させている可能性はあると思います。