ミヤマカタバミ / ベニバナミヤマカタバミ

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カタバミ科 Oxalidaceae
3小葉からなる葉は根茎の先に束生し、小葉は倒心形で幅2.5-4cm、角は鈍角裏面と葉柄、花茎に密に毛が見られます。
花は花茎に1つずつ付き、径3-4cm。果実は楕円形。
花がピンク色のものはベニバナミヤマカタバミと呼ばれます。
よく似たコミヤマカタバミは、小葉の角が丸く、花がやや小さい。

APG70(3):159-172(2020)にて提案されている新たな分類

 

2017.6.18 更新
  • 全体
  • 全体2
  • 全体3
  • 全体4
  • 花2
  • 花3
  • 葉2
  • 芽出し
  • 芽出し2
  • ベニバナミヤマカタバミ
  • 同2
  • 同・花
  • 同・花2
  • 新たな解釈

ミヤマカタバミ-全体

咲きだしたばかりのもの。葉がまだ展開していない。
6月半ばですが周囲にはまだ雪が残っていました。(2017.6 群馬県 旧・水上町)

ミヤマカタバミ-全体

(2014.4 新潟県加茂市)


ミヤマカタバミ-全体3

(2014.4 新潟県加茂市)


ミヤマカタバミ-全体4

(2017.6 群馬県 旧・水上町)


ミヤマカタバミ-花

花は3-4cm。筋はこのような感じのものが多いようです。
(2007.4 神奈川県箱根町)

ミヤマカタバミ-花2

花柄には上向きに寝た毛があり、萼にも短毛が見られました。
(2017.6 群馬県 旧・水上町)

ミヤマカタバミ-花3

花弁にある線状のものは透明線のようでした。
(2017.6 群馬県 旧・水上町)

ミヤマカタバミ-実

果実は楕円状球形で下を向く。
(2017.5 茨城県 旧・桂村)

ミヤマカタバミ-葉

小葉の角は多少丸いですが、コミヤマカタバミのように、全体がハート型の
ようには見えません。先端は少しへこんでいます。(2017.6 群馬県 旧・水上町)

ミヤマカタバミ-葉2

葉裏。毛が密生しています。
(2017.6 群馬県 旧・水上町)

ミヤマカタバミ-芽出し

花と葉は同時に上がって来ます。
(2017.6 群馬県 旧・水上町)

ミヤマカタバミ-芽出し2

葉は折りたたまれて裏側を表にして芽吹いていました。
(2017.6 群馬県 旧・水上町)

ベニバナミヤマカタバミ-全体

花弁全体がピンク色に染まるものは
ベニバナミヤマカタバミ(f. rubriflora)と呼ばれます。(2011.6 尾瀬)

ベニバナミヤマカタバミ-全体2

日本海側に多いようです。葉が典型。
(2015.5 新潟県 旧・松之山町)

ベニバナミヤマカタバミ-花

(2011.6 尾瀬)


ベニバナカタバミ-花2

もうちょっとピンクに見えたのですが・・・。
(2015.5 新潟県 旧・松之山町)

2020年、ミヤマカタバミについて新たな解釈が発表されています。

従来 (本サイト) は・・・ (品種以下省略)
O. acetosella var. acetosella コミヤマカタバミ
var. longicapsula ヒョウノセンカタバミ
O. griffithii var. griffithii ミヤマカタバミ
var. kantoensis カントウミヤマカタバミ

新説・・・
O. acetosella var. acetosella コミヤマカタバミ
O.nipponica ssp. nipponica   ミヤマカタバミ
(ヒョウノセンカタバミ)
ssp. kantoensis var. kantoensis カントウミヤマカタバミ
(2倍体)
var. alpigena ナンカイミヤマカタバミ
(新種-4倍体)


2019年に発表されたナンカイミヤマカタバミ(鹿児島)を加え、ヒョウノセンカタバミをミヤマカタバミのsynonymとして、O.nipponicaとして纏められました。O.nipponicaは「インドから台湾に分布する再編後の O. griffithii と似ているが,系統・ゲノムサイズ・分布域によって区別される」としている。

引用 : カタバミ属 Oxalis 亜節(カタバミ科)の分類学的再検討 青木聡志 ・大井-東馬哲雄,邑田 仁 (東京大・同付属植物園) May 2020 APG 70(3) 和文要旨 73