(雑) サクラオグルマ Inula x yosezatoana  nom. nud.
(型) エダウチオグルマ

2023.9.26 更新

サクラオグルマ

分類
キク科 オグルマ属
植生環境
開花時期
8-10月 田んぼまわり 河川沿い 湿ったところ
地域
関東以北
特記
 -
特徴
オグルマとホソバオグルマの中間形態で、両種の自然交雑種と言われるもの。
丈は20-80cmくらい、茎は花期に赤みを帯び、中・上部でよく分枝し、側枝は鋭角的によく伸びる。茎葉は狭長披針形~狭長楕円形、鋭頭、基部は茎をやや抱くものが多く、縁に突起状の鋸歯があるが全縁に見えるものもある。上部の葉も同形、或いは長さ2-3cmと短い狭披針形になる。葉裏には短毛とやや長い伏毛があり、小さな腺が見られる。
頭花はホソバオグルマ同様多数付き、径は22-30mmほど、総苞は半球形、片は5列、線状披針形で開出。柄に縮毛が多い。
本種と同じものとされるエダウチオグルマは、丈が1mに達することがあり、頭花もオグルマと同サイズの径30-40mmと大きい。西日本に多い。
付記
裸名。1955年に牧野富太郎より発表されているが正式なものではない。
異説
ホソバオグルマに含める、若しくはオグルマの変種(エダウチオグルマ)とする見解があると推定されるが詳細不明。
備考
エングラー : キク科
類似種
オグルマ : 上部の葉は長楕円形、基部は円形で明らかに茎を抱く。頭花は25-38mm。
ホソバオグルマ : 上部の葉は小さく線形~線状披針形。頭花の径は18-25mm。
撮影地
2023.8 千葉県佐倉市  他

サクラオグルマ

田んぼ脇の水路沿いなどで何気なく点々と見られたので、おそらく意識して保護してくださっているものだと思う。茎は長さ60-80cmほどあるが、多くは下部は倒れて高さ30-50cmほど、頭花は径30mmほどだった。上部の茎葉がホソバオグルマより幅が広いなどの違いも見れた。 (2023.8 千葉県四街道市)


サクラオグルマ

総苞は半球形で、総苞片は線状披針形で毛が見られた。頭花は30mmくらいのものが多く見られたが、ホソバオグルマ並みの22-3mm(10円玉サイズ) のものも見られた。 (2023.8 千葉県四街道市)


サクラオグルマ

茎葉は狭長披針形~長楕円形、基部は少し茎を抱くものから、オグルマのようにはっきり抱くものも見られた。縁の鋸歯はまばらな突起状でほとんど目立たないものもあった。葉脈の凹みもあまり目立たない。葉裏は長めの毛も多く見られたが、少ないものもあった。 (2023.9 千葉県佐倉市)


サクラオグルマ

花期に見られた根生葉。但し無花茎のもので、有花茎ではほぼ見られなかった。根生葉と無花茎の葉は総じて大きく、倒狭披針形だった。 (2023.8 千葉県佐倉市)


サクラオグルマ

花期前に見られる下部の茎葉は茎をはっきり抱くものが複数見られた。撮影した時点ではオグルマと判断したが、花期にこの株を観察すると、オグルマとは明かに異なった。 (2023.8 千葉県佐倉市)


(型) エダウチオグルマ (I. britannica subsp. japonica var. ramosa )

サクラオグルマ

丈が大きく1mに達することもあるもの。頭花も大きく、オグルマのサイズ(径3-4cm)がある。が、サイズを除けばほぼ本種の特徴と同じ。ここでは「日本の野生植物」に従ってサクラオグルマに含めたが、ホソバオグルマに含める見解もある。この型の分布域は狭義サクラオグルマより広く、西日本、朝鮮、中国(満州?)でも見られるようだ。 (2015.9 栃木県宇都宮市)