タイアザミ Cirsium comosum
(型) イガアザミ / ハコネアザミ

2024.9.25 更新

タイアザミ

分類
キク科 アザミ属
植生環境
海岸 里 山地
開花時期
8-11月 草地
地域
東北南部 関東 中部南部
特記
 -
特徴
関東では普通に見られるアザミ。
丈は1-1.5mくらい、葉はふつう羽状深裂し、長く鋭い刺が見られます。茎は抱きませんが、僅かに抱くものもある。
頭花は横~下向きに咲き、柄は短く、単生または2-3個集まって付きます。総苞は鐘形~筒形、総苞片が長く伸び、開出し反曲します。クモ毛が多いものと少ないものがある。片の刺はナンブアザミより太くて長く、鋭い。総苞片は8-9列。腺体はないか、痕跡的。
海岸で見られる刺々しいものはイガアザミ、風衝地で見られる頭花が密な散房状に付くものはハコネアザミと呼ばれるが、分けない。
付記
本種にはトネアザミは含まれない。近年、トネアザミはナンブアザミに含める。・・・分類の変遷
備考
エングラー : キク科
類似種
トネアザミ : 総苞片に腺体があって粘る。ナンブアザミに含まれる。
撮影地
2023.11 千葉市  他

タイアザミ

関東ではよく見られるアザミ。が、姿にバリエーションがあり、意外とイメージがつかみにくい印象もある。 (2016.10 千葉市)

タイアザミ

頭花は多くは鐘形で2-3個ずつ横向きに咲く。下向きになるものはあまり見ない。 (2016.10 千葉市)

タイアザミ

総苞にはクモ毛があり、片は8-9列、中・外片は開出し反曲する。ナンブアザミに比して片の先の刺が2倍以上長い。腺体はない。 (2016.10 千葉市)


タイアザミ

葉は羽状深裂するものが多いが、浅裂のものもある。ふつう茎は抱かない。 (2016.10 千葉市)


(型) イガアザミ (var. commosum = synonym)

イガアザミ

南関東と東海地域で見られるタイアザミの海岸型。茎ががっしりとしていて葉や総苞の刺が長く鋭い。 (2020.10 千葉県銚子市)


イガアザミ

総苞片の刺が長い。ただしここまで長いものはやや稀。 (2017.10 千葉県鴨川市)


(型) ハコネアザミ (var. sawadae = synonym)

ハコネアザミ

箱根周辺の地域で確認されているタイアザミの風衝地型。頭花が散房状に密に付く。 (2015.11 静岡県御殿場市)


分類の変遷

だいぶ以前
日本の野生植物(旧版)
日本の野生植物(新版)
ナンブアザミ
C. makinoi
ナンブアザミ
C. nipponicum var. nipponicum
キタカミアザミ
C. nipponicum
キタカミアザミ
C. nipponicum
ナンブアザミ
C. makinoi
ナンブアザミ
C. tonense var. tonense
トネアザミ
C. nipponicum
または C. tonense
トネアザミ (タイアザミ)
C. nipponicum var. incomptum
タイアザミ (トネアザミ)
C. incomptum
タイアザミ
(?)
タイアザミ
C. comosum
イガアザミ
(?)
イガアザミ
C. nipponicum var. commosum

牧野植物図鑑 等

1981年 by 北村四郎 (京大)
2000年初頭までの図鑑の多くはこれを基準としていた

キタカミアザミの発表は
2014年 by 門田
(y-list)

2017年 by 門田 裕一
※ 以前のナンブアザミから更にアブクマアザミ が分けられている (2017)