垂直に切り立つ石灰岩の岩場で見られます。
触れると明らかな臭気があり、触れた手にも臭気がしばらく残りました。花柄は長く、花糸も長くて葯が垂れ下がっています。(2016.5 岩手県C3)
岩手県博の標本地のもの。臭気はやや弱く、葉裏の腺毛も少し短いが、密度は同じ程度。
茎や葉序の軸の腺毛はやや少ない。(2016.5 岩手県B)
見つけた自生地の中で、唯一向陽地にあるもの。
臭気はごくわずか。腺毛も短いが密に見られました。(2013.5 岩手県A)
2016年に新たに見つけた自生地。群生しており多数見られました。
(2016.5 岩手県C4)
咲き始めの状態。小花柄が長く、4cm近いものも見られました。
陽当たりの良くない場所のものの萼片は必ずしもも赤くない。(2016.5 岩手県C3)
カラマツソウの花糸はただでさえ風に揺れやすいのに、本種は花糸が
より長いので、数十枚連写して得た1枚。(2015.5 岩手県A)
萼に腺毛が多く見られます。
(2015.5 岩手県A)
花は終わりかけで子房が膨らみだした状態。萼は付いたまま枯れたようになり、
その後脱落する。少なくとも、早落するとは言い難い。(2015.5 岩手県A)
若い果実。始めは扁平な楕円形で8本前後の稜があり、全体に腺毛が密生します。
柄にも腺毛がある。白い点は花粉。(2016.5 岩手県A)
次第に厚みが出ますが、断面が細い楕円形になるくらいまで。
(2016.6 岩手県C3)
葉は2-4回3出複葉で小葉は5-10mmと小さく、丸く粗い鋸歯があります。
小托葉はありません。光のせいで葉の色が緑色に見えますが・・・(2013.5 岩手県A)
葉の表面は青みがあります。
(2015.6 岩手県C2)
ルーペなどでも見えないような微細な腺毛が見られます。写真の横幅は5mmくらい。
(2015.6 岩手県C2)
葉裏に脈が浮き出ます。この状態でも腺毛ははっきりわかります。
(2015.6 岩手県C2)
この写真の横幅は2-3mmほど。従って腺毛は0.05mmほどあると思われます。
カラマツソウ属の腺毛としては充分に長い。(2015.6 岩手県C2)
葉序の軸や小葉柄にも腺毛がびっしりとある。
(2016.5 岩手県C3)
腺毛がやや長く多いもの。茎、葉柄、小葉柄、葉の両面、花柄(左にのびるもの)・・・これら全てに腺毛が見られました。長い毛は腺毛に付着したもので無関係。(2014.5 岩手県A)
1978.8 村井先生による"岩手県A"の標本の葉裏 @22719。
チャボカラマツとされていますが、後にイワテチャボカラマツと改められたもの。
許可を得て撮影。(2015.6 岩手県博)
前者と同様の標本。1977.7.23 "岩手県B"で採種されたもの @22718
(2015.6 岩手県博)
従来は臭気が充分に確認できなかったため、チャボカラマツと合併掲載の形を取っていましたが、2015.6 明らかな臭気のある個体を確認し、2016.5 に開花した群落を確認、2016.6に果実を確認し、本種であることを確信しました。(※1)
本種はチャボカラマツと同じものであるという説もありますが(※2)、腺毛の量がケタ違いであり、臭気も明瞭にあることから、「岩手県の石灰岩地帯に固有の系統strainとみなすのが 適当」であると認めて頂きました。
Y-Listなどに掲載のニオイカラマツ(var. foetidum)は大陸などに自生するチャボカラマツの基準変種ですが、上記の言に従って「イワテチャボカラマツ(var. iwatense)」の名を使用するのが適当と判断されました。 (※3)
なお、岩手県内にはイワテチャボカラマツ(ニオイカラマツ)とチャボカラマツがほぼ同所的にあるとされていますが、チャボカラマツとされるものは見つからなかった。
(イワテチャボカラマツ(ニオイカラマツ)に隣接してよく似たものが多数あったが、アキカラマツとの雑種と考えた)
※1 臭気は図鑑などに記載の「悪臭」ではないと感じました
※2 J. J. B. 80: 343, f. 1 & 2 (2005)
※3 Y-Listでは現在もニオイカラマツとして掲載されています。 |