イワテチャボカラマツ (ニオイカラマツ) Thalictrum foetidum var. iwatense


イワテチャボカラマツ

分類
キンポウゲ科 カラマツソウ属
植生環境
山地
開花時期
5月 石灰岩の岩場
地域
岩手
特記
絶滅危惧1B類相当
特徴
従来ニオイカラマツと呼ばれたもの。
丈は15-40cm。全草に腺毛が密にあり、腺から出る分泌物には臭気がある。
茎は稲妻型に曲がり、葉は2-4回3出複葉で小托葉はなく、小葉は小さく5-10mm、全体にシワが多く縁は裏面に反り、葉脈がはっきりと窪んで裏面に浮き出る。葉裏には脈上を中心に腺毛が密にあり、葉表にもあり、その他、葉軸、小葉柄、托葉、茎にも腺毛が密に見られる。
花は茎頂に~20個ほど付き、花柄は2-4cmと長い。萼や花糸、葯は赤味を帯びることが多い、花糸は長くて垂れ下がる。 葯隔は突出する。萼は早落性だが花期にもしばらく残る。花序、花柄、萼、子房にも腺毛が見られ、痩果はやや潰れた楕円状球形で腺毛が密にある。。
付記
本種が見られる複数の場所の周囲には、アキカラマツとの交雑と思われる腺毛が少なく花柄が短いものが多数あり、花期が1カ月以上遅い(7月)。
備考
エングラー : キンポウゲ科
類似種
チャボカラマツ : 腺毛は多いが本種より少なく、葉表になく、痩果にはないか僅か。花序は小さく、花柄は1-2.5cm、臭気はない。北海道に産す。
アポイカラマツ : 全体に小型で丈は20cm程度、腺毛は本種同様多いが、葉表にない。萼は紫色。北海道アポイ岳に知られる。
タイシャクカラマツ : 小葉は本種より大きく、1.2-3.3cm。萼は早落しない。広島県に産す。
撮影
2016.5 岩手県  他

イワテチャボカラマツ

石灰岩の岩場出見られます。花柄が長く2-4cm、或いはそれ以上あり、花数は少ないが、花糸が長く垂れ下がる。花糸を除く全草に腺毛が密に見られ、自生地の中でも特定のエリアのものには、腺から出る粘液に強い臭気があり、服についた匂いはそこそこの時間匂い続けた。私には悪臭とは感じなかった。 (2014.5 岩手県)


イワテチャボカラマツ

花糸は長く、垂れ下がります。葯隔は飛び出ます。萼は開花からやや遅れて脱落、萼と花柄に腺毛が見られます。子房(果実)にも腺毛が密に見られます。 (2015.5 / 6 岩手県)


イワテチャボカラマツ

葉は3-4回3出複葉、小葉は長さ5-10mmと小さく、脈が著しく窪み、縁は裏面に巻く。 (2014.5 岩手県)


イワテチャボカラマツイワテチャボカラマツ

裏にはくっきりと脈が浮き出て腺毛が密にある。葉表にも多く見られる。 (2015.6 / 2014.5 岩手県)


イワテチャボカラマツ

腺毛は全草で密に見られ、茎や葉柄も腺毛が密でベタベタ。イワカラマツの腺毛より長くて密。 (2014.5 岩手県)