アブクマトラノオ

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タデ科 Polygonaceae
ハルトラノオによく似た植物。
根生葉は卵形で先は尖り、花茎とは別に出ます。ふつう、葉裏の脈の基部付近に毛がある。花茎は3-15cm、ハルトラノオより大きな茎葉を1-2枚付けます。茎葉は卵形~長楕円形、基部は矢尻形で茎を抱きます。 花序は茎頂に付き、花には花弁はなく、萼は5深裂して花冠状。雄しべ10、花柱3。小花柄が長く5mm前後ありハルトラノオより長い。

 

2017.12.27 更新
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  • 本種について

アブクマトラノオ-全体A

ハルトラノオより花柄が長い分だけ花序が大きく、見栄えがします。
茎葉は多くは2枚見られました。(2016.4 宮城県山元町)

アブクマトラノオ-全体2

(2016.4 宮城県山元町)


アブクマトラノオ-花

花序は時に基部で分枝していました。
(2016.4 宮城県山元町)

アブクマトラノオ-花2

花柄は長く、5mmほど。
(2016.4 宮城県山元町)

アブクマトラノオ-花3

花弁はなく、花弁状の萼5、雄しべ10、花柱は3。
(2016.4 宮城県山元町)

アブクマトラノオ-葉

根生葉。卵形・・・楕円形に近い印象。基部は心形。側脈は目立ちます。
(2016.4 宮城県山元町)

アブクマトラノオ-葉2

葉裏の基部の脈上に毛が見られます。
(2016.4 宮城県山元町)

アブクマトラノオ-葉3

茎葉はハルトラノオの茎葉よりは大きいですが、根生葉に比べると小さい。
基部は心形で茎を抱きます。(2016.4 宮城県山元町)

アブクマトラノオ-葉3

茎葉の葉裏脈上には毛はない。
(2016.4 宮城県山元町)

アブクマトラノオ-全体B

福島県南部のもの。茎葉は大きいですが、根生葉の葉裏脈上の毛を現地では
確認していませんが、写真ではないように見えました。(2014.4 福島県いわき市)

アブクマトラマオ-花B

花柄は宮城のものに比して少し短い。
(2014.4 福島県いわき市)

アブクマトラノオ-葉

上は茎葉、下は根生葉。根生葉はハルトラノオと変わりがありません。
茎葉は側脈が目立ちませんが、根生葉は目立ちます。(2014.4 福島県いわき市)

アブクマトラノオ-全体A

文献によれば、ここのものは、根生葉の葉裏脈上に毛があったりなかったりするようです。
現地では確認できていません。(2014.4 茨城県北茨城市)

アブクマトラノオ-全体A2

茎葉は2枚付くものが多く見られましたが、上の1枚が小さいものが多かった。
(2014.4 茨城県北茨城市)

アブクマトラノオ-花

花柄がハルトラノオなどより長いですが、宮城のものに比して少し短い。
(2014.4 茨城県北茨城市)

アブクマトラノオ-葉A

茎葉の鞘部。とても長い。
(2014.4 茨城県北茨城市)

アブクマトラノオ-参考2

花柄は長いが、茎葉がやや小ぶり。これより小さいものがほとんどでした。
文献によれば、ここのものの根生葉に毛はない。(2014.4 茨城県高萩市)

アブクマトラノオ-全体2

(2013.4 茨城県高萩市)


アブクマトラノオ-花

(2013.4 茨城県高萩市)


2016.4.29 更新

宮城県南部から茨城県北部に分布すると言われていますが、若干の差異があり、南に行くに従い、ハルトラノオに似た姿となるようです。

  花柄 茎葉 根生葉
(基準) 宮城県山元町
長い 多くは2枚
相対的に大きい
葉裏に毛がある
福島県いわき市 やや長い 毛があったりなかったり
茨城県北茨城市 多くは2枚
上1枚は小さい
茨城県高萩市 葉裏に毛はない
茨城県城里町 中間 小さい
ハルトラノオ 短い


いわき市以南のものは、「花粉稔性率が低く、結実を確認できない」という観察結果(茨城植物研究6:75-79(2015))もあり、この文献では「非典型のアブクマトラノオ」と結論づけています。

私の外観の観察では、高萩以北、または北茨城以北のものが本種であるとすればわかりやすいと感じました。