ハナネコノメ Chrysosplenium album var. stamineum


ハナネコノメ

分類
ユキノシタ科 ネコノメソウ属
植生環境
山地
開花時期
3-5月 沢沿いの湿ったところ
地域
福島~京都
特記
 -
特徴
シロバナネコノメの変種で、白い萼と赤い裂開前の葯が可愛らしいネコノメソウ。
丈は5-10cm、茎葉は対生で1-2対、扇状円形で基部はくさび型、3-7個の鋸歯があります。茎は赤い。根生葉は花期には枯れます。 葉や茎に毛は少ない。
花に花弁はなく、萼裂片は先が丸く白色で斜開、花後は淡緑色。雄しべは8個で萼裂片より長く、裂開前の葯は暗紅色。
シロバナネコノメソウとの違いは、葉面や苞葉などに毛が少ない、葉の鋸歯が3-7個、苞葉は3-5(7)個、雄しべが長い等。萼裂片の先端が丸いとも言われますが、個体差があり、明確ではない。
備考
エングラー : ユキノシタ科
類似種
キバナハナネコノメ : 花色の黄色いもの。葯は橙色
撮影地
2015.3 東京都高尾山  他

ハナネコノメ

雄しべは萼片より長いので、横から見て赤い葯が見えます。 (2015.3 東京都高尾山)


ハナネコノメ

花柱が2つ、雄しべは8本で裂開前の葯は赤く、萼から飛び出します。萼片は白で先端が丸いのも特徴ですが、写真のように尖るものも少なくないのでわかりにくい。苞葉の鋸歯は少なく、3-5(7)個。良く似たシロバナネコノメソウは5-9個。 (2015.3 東京都高尾山)


ハナネコノメ

花にはごく短い柄があります。花茎、花柄、苞葉や柄に長い毛が見られますが、脱落しやすい。 (2015.3 東京都高尾山)


ハナネコノメ

葉は扇状円形、3-7個の鋸歯があります。 (2021.3 茨城県筑波山)


(参考)

ハナネコノメ

無花茎の葉の両面、茎などに長い毛が多く見られたもの。ハナネコノメの変化型としたが、以下の点で疑義がある。
 ・約20kmほど西にキバナノハナネコノメの東限地があり、そこには白花もあり、葉の特徴が酷似している。
 ・一方、葯の色が朱色であること、少し離れたところにふつうのハナネコノメが点々と見られた。
以上から両種の中間種、或いは雑種なのかもしれないとも思っている。(2008.4 静岡県富士宮市)
・・・キバナハナネコノメのページに、同種の白花と思われるものを参考掲載しています。