シロイヌナズナ

アブラナ科 Brassicaceae
アブラナ科 Cruciferae
花期もロゼット状の根生葉があり、そこから茎を伸ばして20-30cmになります。茎の下部に毛が密生します。根生葉は短柄があり、狭披針形~長楕円形、茎葉はまばらで狭披針形、いずれにも星状毛と二股毛が見られます。茎葉は茎を抱かない
花はまばらに総状に付き、花弁は3-4mm、果実は長い線形で9-18mm、柄は斜め上に開出して上を向きます。
在来のものと外来由来の両方の株があるようです。

 

2018.4.25 更新
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  • 「モデル植物」

シロイヌナズナ-全体

10cmほどの丈でも花を付けていました。ロゼットは直径3cmくらいでした。
(2014.3 千葉市)

シロイヌナズナ-全体2

道のアスファルト脇に並んでいたもの。市街地にあるものの多くは
外来由来だそうです。そもそも在来のものはどこに・・・。(2016.3 千葉市)

シロイヌナズナ-全体3

田んぼの畦にナズナタネツケバナミチタネツケバナと一緒にあって紛らわしかった。多数の花茎を立ち上げていて、私の見た中ではとても希。(2017.4 千葉市)

シロイヌナズナ-全体4

果実の付き方がタネツケバナのよう・・・。根生葉や茎葉は明らかに違いますが、
目立たないので、遠目には区別しにくい。(2016.3 千葉市)

シロイヌナズナ-全体5

本種に混ざってナズナが・・・。果実がなかったら気づけるかどうか・・・。
(2016.4 宮城県七ヶ浜町)

シロイヌナズナ-全体6

都市部では繁殖力は決して弱くないようなので、郊外などに在来のものも少なからずあると思うのですが、推測すらできない。(2018.4 長野県小諸市)

シロイヌナズナ-花

萼に微毛が見られます。
(2014.3 千葉市)

シロイヌナズナ-花2

雄しべは6。うち2本は短い。
(2016.3 千葉市)

シロイヌナズナ-花3

萼に毛が見られるものが多くありました。
(2017.4 千葉市)

シロイヌナズナ-花・実

果実は長角果、茎から離れて斜上気味に付きます。
近くにあったタネツケバナと雰囲気が良く似ていた。(2016.3 千葉市)

シロイヌナズナ-葉

根生葉は狭披針形~長楕円形、鈍く低い鋸歯があるか全縁。
(2014.3 千葉市)

シロイヌナズナ-葉2

根生葉には二股毛、星状毛が見られました。
但し古い葉は脱落して見られないものもあった。(2017.4 千葉市)

シロイヌナズナ-葉3

茎葉はまばらで狭披針形、茎を抱かない。葉の両面に二股毛や星状毛が見られました。
中部以上の茎には毛がほとんどなく、白っぽい。(2014.3 千葉市)

シロイヌナズナ-茎

茎の下部には単純毛が密生します。
(2014.3 千葉市)

シロイヌナズナ-早春

始めは葉身に比して柄が長く見えました。写真のロゼット径は約1cm。
(2016.2 千葉市)

シロイヌナズナ-早春2

やや成長したロゼット。花期に見られるものと変わらない。写真のロゼット径は4cm。
(2016.2 千葉市)

シロイヌナズナについて、全く別のことをインターネットで調べていたら、この植物の意外な有益性わかりました。この植物、植物学上の「モデル植物」なのだそうです。

「昔はどちらかと言えば博物学的であった植物の研究は、モデル植物シロイヌナズナの登場により一変した」(学習院大学理学部HPより)・・・だそうです。

劇的変革をもたらした内容とは、日本(かずさDNA研究所)、ヨーロッパ、米国の共同チームが植物で初めて、全ゲノム・・・1.3億塩基対の解読を2000.12までに完了した・・・ということらしいです。つまり、シロイヌナズナに刻まれた進化の歴史が見えたということと、遺伝子1つ1つが果たす役割が判ったということ・・・みたいです。

その解析にシロイヌナズナが選ばれた理由は、一世代が短く、室内栽培が可能で自家受粉が可能、ゲノムサイズが小さい・・・などのようです。

内容については私などにわかるはずもないので省略しますが、この事実を知って以来、このちっぽけな植物が特別なものに見えるようになりました。