(雑) イヌハコネトリカブト

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キンポウゲ科 Ranunculaceae
ヤマトリカブトセンウズモドキの自然交雑種。両種がある場所などで見られます。
典型的なものは、丈は50-90cm、中部の葉は幅、長さともに概ね4-9cm、3深裂し、側裂片は2深裂、両面、柄に毛はありません。
花は散房状に付き、 花柄には開出する軟毛、腺毛に、短い屈毛が混じります。屈毛と開出毛の比は一定しません。花及び葉の形は、いずれかに似るか、中間的な姿です。
富士山麓で見られる矮小形をスバシリトリカブトと呼びますが、分類上は本種と同じもの。

 

2013.9.23 作成
  • 全体A
  • 花A
  • 花柄A
  • 全体B
  • 花柄B
  • 葉柄B
  • 花柄C
  • <参考>全体D
  • 本種としたもの

イヌハコネトリカブト-全体A

ヤマトリカブトセンウズモドキの両種があるこの場所の花柄が開出毛の
トリカブトの大半は本種であると思われました。(2013.9 群馬県藤岡市)

イヌハコネトリカブト-花A

花の形は、どちらに似ているものもありました。写真はセンウズモドキに傾いたタイプ。
(2013.9 群馬県藤岡市)

イヌハコネトリカブト-花柄A

花柄には開出毛、腺毛ともにありますが、それより短い屈毛も多量にありました。
(2013.9 群馬県藤岡市)

イヌハコネトリカブト-全体B

光陽地にあって直立していました。葉の雰囲気はセンウズモドキに似ていました。
(2013.9 群馬県藤岡市)

イヌハコネトリカブト-花柄B

花柄の開出毛は上部のみで、下部はほとんどが屈毛のタイプ。
(2013.9 群馬県藤岡市)

イヌハコネトリカブト-葉柄B

葉柄から葉脈にかけて、屈毛が見られました。この種に共通してあるかどうかは
不明ですが、少なくともヤマトリカブトにはありません。(2013.9)

イヌハコネトリカブト-花柄C

屈毛に開出毛が混じる程度の中途半端なもの。
(2013.9 群馬県藤岡市)

イヌハコネトリカブト-参考
この株の花柄の毛は開出毛と腺毛、少量の屈毛でセンウズモドキかとも思いましたが、
花が咲き進むにつれて毛は脱落して屈毛のみがのこっており、隣接する株の毛も変化が多く、交雑の可能性が高いと判断した。葉の裂け方もやや浅い。(2013.9 群馬県藤岡市)

 

ここでは、センウズモドキヤマトリカブトの交雑種と見られるものにおいて、花柄に開出毛が存在するものを全て本種としました。

定義では開出毛の量や他の毛の状態について言及されていないようですから、部分的に開出毛のあるものや屈毛の混ざるものについても本種として扱っております。

また、このサイトでは、本種のsynonymとされているスバシリトリカブトについて、本種の別形状として別に扱っております。