アマドコロ

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クサスギカズラ科 Asparagaceae
ユリ科 Liliaceae
丈は30-60cmほど、 ナルコユリとよく似ていますが、茎に稜があり、下から1-2枚目の葉から上は斜上します。葉は長楕円形で5-15cm。裏面は白っぽい。
花は葉腋に1-2個ずつ吊り下がります。花は筒形で15-20mm、花被は合着して先端が裂け、緑色。果実は球形で黒色。
丈が0.5mを越えるものはヤマアマドコロと呼ばれ、更に大型で北地にあるものはオオアマドコロと呼ばれます。

 

2018.6.12 更新
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アマドコロ-全体

小型のナルコユリと似ていますが、葉が丸みを帯びていて
ナルコユリのように鋭い感じがない。(2013.5 千葉市)

アマドコロ-全体2

世界遺産を背景にすると、いつものアマドコロと違って見えました。
(2014.5 山梨県忍野村)

アマドコロ-花

花被の先端だけ緑色で、その部分だけ開きます。
(2013.5 千葉市)

アマドコロ-花2

花被片は合着して、先端だけ裂けています。基部は膨らまない。
(2016.4 千葉市)

アマドコロ-花3

花柱の先端は花被片と同じ位の長さか少し短いようで、横からは見えません。
写真は花が3つついたやや希なもの。(2013.5 千葉市)

アマドコロ-花4

(2017.5 千葉市)


アマドコロ-蕾

花は葉に包まれていて、葉が展開する順に垂れ下がり、開花する。
(2017.5 千葉市)

アマドコロ-葉

葉は楕円形~長楕円形、よく似たナルコユリに比べて葉の幅が倍くらいある印象。
花柄は葉腋から葉の上を回って下がっている。(2017.5 千葉市)

アマドコロ-葉2

葉は茎を抱き、"節"のような部分を経てそのまま沿下するような感じ。
"節"の部分は赤いものが多く見られる。(2017.5 千葉市)

アマドコロ-葉3

葉裏は白い。枠部分を拡大すると・・・葉3タブへ
(2015.5 千葉市)

アマドコロ-葉4
葉2のタブの枠の拡大。小脈上にも微細な突起が見られました。この突起はヤマアマドコロの特徴の1つとされますが、この場所及び他の1カ所でも同様に確認することが出来たので、「アマドコロには突起はない」ということではないと思われます。(2015.5 千葉市)

アマドコロ-葉5

一番下の葉は鞘状。
(2017.5 千葉市)

アマドコロ-茎

茎には稜があり、触るとよくわかりますが、見る角度によってはわかりにくい。
(2015.5 茨城県阿見町)

アマドコロ-芽だし

ナルコユリと比べると太くて白っぽい。
(2017.5 千葉市)

一般的に葉裏の小脈上に突起のあるものはヤマアマドコロオオアマドコロとされていますが、少なくとも私が確認した関東・新潟・東北のもの全てで突起がありました。西日本のものは見ていないので、一概に同じもとは言えませんかが、 アマドコロ - ヤマアマドコロ - オオアマドコロ は多分に連続的に感じます。
このサイトでは以下のように分けました。図鑑などの記載と異なるものがあります。

  アマドコロ ヤマアマドコロ オオアマドコロ
丈 (茎長) 30cm前後 60cm前後 80cm前後
葉の長さ 7-8cm 10cm前後 15cm前後
葉裏小脈上
の突起
不明瞭 又は 短い 明瞭 明瞭で密、高さもある
花の長さ 15-20mm 20-25mm 20-25mm
葉腋に付く
花数
1-2個 1-2個 希に3個 2-3個 希に1個
やや細い やや細い かっしりしている
茎の稜 4つ程度 多数 多数


本種と同様の変種であるヤマアマドコロにつき、葉裏の小脈上に見られる突起と同一の構造体が、葉裏の全面にあることがわかり、それが葉裏が白く見える理由と判明しました。(詳細はヤマアマドコロのページを参照)

本種についても、同様に葉裏は白く、一般的なマクロ撮影では写らない、ごく微細な同様の構造体(径30-35μm)が葉裏全面にあると推察されるに至りました。

従って、両種は小脈上の突起での差異は小さく、この違いで両種を区別するのは難しいと思うに至りました。

この推察を裏付けるため、近日、本種の葉裏の等倍撮影ににチャレンジしてみたいと思っております。

 




アマドコロ-参考1

菅平で見られたもの。外観はふつうのアマドコロ。
(2018.6 長野県菅平)

アマドコロ-参考1

ここのものの葉裏脈上の突起は太くて顕著でした。
(2018.6 長野県菅平)

アマドコロ-参考2

赤城山のもの
(2018.6 群馬県赤城山)

アマドコロ-参考2

葉裏。ここのものは突起は細く、低い。
2018.6 群馬県赤城山)