アメリカネナシカズラ Cuscuta campestris

2023.9.13 更新

アメリカネナシカズラ

分類
ヒルガオ科 ネナシカズラ属
植生環境
海岸 里
開花時期
7-10月 草地
地域
外来種
特記
生態系被害防止外来種リスト掲載種
特徴
寄生植物。茎は黄色~オレンジ色。
花は花冠5裂で長さ約2mmと短く、ふつう平開し、裂片の先端は尖ります。花柱は2、雄しべとともに花冠から突きだし、花冠内部にある鱗片は楕円形で縁に毛状の突起が多数見られます。果実は扁球形で花冠から大きく飛び出す。
備考
エングラー : ヒルガオ科
類似種
ネナシカズラ : 花柱は1、果実は長球形。
マメダオシ : 花冠裂片は平開せず、先は尖らない。雄しべは花冠と同長、鱗片は短く、ほとんど見えない。
撮影地
千葉県富津市  2011.9 千葉市  他

アメリカネナシカズラ

初めて見た時は、漁網か海藻が放置されているのかと思った。見た目が気持ち悪い植物なので、あまり触れたくないような感覚がある。 (2020.7 千葉県富津市)

アメリカネナシカズラ

花は数個ずつまとまって付く。Aは寄生根を出している部分(後述)、Bは虫こぶ(後述)。 (2023.9 千葉県四街道市)

アメリカネナシカズラ

花冠筒部が浅く、雄しべ5は花冠から突き出し、花柱2も容易に見えます。その奥に見えるのが花冠の鱗片で楕円形(解体しないと全容は見えない)、縁に毛状の突起が多数見られます。 (2016.7 千葉県富津市 / 2023.9 千葉市)


ネナシカズラツルコブフシ

果実は球形で径約3mm、基部に萼に加えて花冠も残る。先端には2つの花柱が残っている。 (2023.9 千葉市)


アメリカネナシカズラ

絡んだもの全てに容赦なく寄生根を出す。接する部分(内側)は太くなって張り付く。 (2023.9 千葉市)


(虫こぶ) ネナシカズラツルコブフシ

ネナシカズラツルコブフシ

マダラケシツブゾウムシによる節に作られた虫こぶ(矢印)。大きいものでは長さ1.5cmほどになり、淡黄緑色~淡緑色をしている。寄生植物に寄生する昆虫までいるとは驚きですが、さらに、葉緑体未発達で光合成をほとんど行わないアメリカネナシカズラに対し、マダラケシツブゾウムシは「光合成活性を 大幅に上昇させ、栄養豊富なシェルターとして虫こぶを形成し、利用している」ことが近年判明し、さらに驚いた。 (「 」内引用 2021.6.22 富山大プレスリリース)  (2023.9 千葉市)