キバナオウギ

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マメ科 Fabaceae
マメ科 Legminosae
希な外来種。
丈は0.6-1m、葉は奇数羽状複葉で小葉は卵形で5-13対、葉軸や小葉裏面に粗い毛が密生します。托葉は線状披針形で離生。
花は葉腋から5-7cmほどの柄を伸ばして総状に付き、長さ15mm、淡黄色で後に次第に赤味を帯びます。萼裂片は短く三角状、萼や花序の軸、花柄には黒い伏毛が見られます。果実は半卵円形で黒い伏毛が見られます。
成長した個体の根は薬用として珍重されています。

 

2016.7.4 更新
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  • 花3
  • 実2
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  • 過去の文献

キバナオウギ-全体
人里離れた山奥の陽当たりの良い、石灰岩が崩壊して堆積した急斜面に点在していました。かつては在来種とされていましたが、人が滅多に入ることもないような環境なので、在来種ではないのかと疑いたくなりました。(2016.5 岩手県久慈市)

キバナオウギ-全体2

全体の印象はタイツリオウギによく似ていますが、萼や托葉など細かな所を見ていくと
差異が見られます。背景は石灰岩露頭。(2016.5 岩手県久慈市)

キバナオウギ-全体3

果期。
(2016.6 岩手県久慈市)

キバナオウギ-花

花は総状に付き、それぞれに線状披針形の苞が付く。
咲き進むに従い、赤味を帯びてくる。(2016.5 岩手県久慈市)

キバナオウギ-花2

蕾と咲き始めは淡いクリーム色。
(2016.5 岩手県久慈市)

キバナオウギ-花3

萼や花柄などには黒い伏毛が多く見られました。萼裂片は短く、三角状。
(2016.5 岩手県久慈市)

キバナオウギ-実

果実は半卵円形で種子の大きさ以上に風船状に膨らんでいました。
やや柄は長く、萼から外に飛び出していました。(2016.6 岩手県久慈市)

キバナオウギ-実2

(2016.6 岩手県久慈市)


キバナオウギ-葉

葉は5-13対の小葉からなる奇数羽状複葉。写真は11対。
(2016.5 岩手県久慈市)

キバナオウギ-葉2

葉軸や小葉裏には粗い毛が多く見られました。
(2016.5 岩手県久慈市)

キバナオウギ-茎

茎にも白毛が見られました。托葉は線状披針形。
(2016.5 岩手県久慈市)

以下の古い文献では、本種は在来種として記載されています。

岩手県下閉伊郡の石灰岩地帯より得た特記すべき植物3(清水建美) s33

岩手県植物詩(岩手県) s45.9

安家石灰岩地帯における自然環境の特質と保全(岩手県) s53.3

 

また、かつては北海道と岩手県で、本種の栽培を試みたことがあるようですが、いずれも事業の成功に至らず、現在は行われていないようです。