茎が緑色で
コハコベよりよく立ち上がり、全体にこんもりした感じになものが
多いですが、それだけでは確実に本種とは言い切れません。(2014.4 千葉市)
茎はかなり赤いですが、この株の雄しべは7-9個、茎葉も大きく、よく立ち上がっていて
本種と推定されます。花が終わると下を向く。(2013.3 千葉市)
群生すると写真のように一面に拡がって地面を覆います。
(2016.3 千葉市)
葉は
コハコベより大きく、花序は葉に囲まれている印象になることが多い。
(2008.4 新潟県弥彦村)
花弁は萼より小さく、花弁同士が重なります。雌しべの花柱は3裂、雄しべし4-10個。
写真は雄しべ9個で、
コハコベと重ならない8個以上。(2008.4 新潟県弥彦村)
雄しべが少ないもの。種子で確認済み。
(2016.3 千葉市)
種子の突起が
コハコベに比して明瞭です。径は1-1.1mm。この株の雄しべは8-9。
(2015.3 千葉市)
下部の茎葉。柄があります。上部も葉身は広卵形~楕円形。
(2015.3 千葉市)
中間部の葉。柄なのか、葉身なのか・・・という感じ。
(2015.3 千葉市)
上部は柄がなく茎を抱きます。茎に1列に並んだ毛が見られます。
(2014.4 千葉市)
葉裏は無毛ですが、葉脈下部や縁に毛が見られることも多い。
(2016.3 千葉市)
茎には1列の毛が見られ、節には円周状に毛があります。
(2014.4 千葉市)
葉も小さく、茎も赤くて地を匍う、誰が見ても
コハコベですが、ミドリハコベです。
雄しべ8-10、種子でも確認。(2015.3 千葉市)
外観で判別する方法はないかと思い、外観は
コハコベであろうというものの花と種子を
いくつか観察したものの1つ。茎は赤く、葉が小さい。(2016.3 千葉市)
前タブの花。雄しべは6で、確率的に
コハコベであろうと思いましたが、・・・。
次のタブへ・・・。(2016.3 千葉市)
種子は突起が明瞭で、ミドリハコベでした。雄しべの数も含めて、
外観で100%判別するのは、やはり困難。(2016.3 千葉市)
身近にあって判断が難しい両種の特徴を、その違いによって区別した場合、どの程度判定できるかを表にしてみました。
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判定の
確度 |
ミドリハコベ |
コハコベ |
全体の姿 |
△ |
やや立ち上がってこんもりする 最初は横に広がるものも |
地を匍い横に広がる
4月になると立ち上がり気味 |
茎の色 |
△ |
普通緑色 赤いものもある 真っ赤は少ない |
普通赤い 緑もある |
茎の太さ |
△ |
相対的に太いものが多い |
相対的に細いものが多い |
葉の大きさ |
△ |
花の付く上部は大きく幅が広いものが多い |
小さく幅がやや狭い
大きさのバラツキがある |
葉腋間の長さ |
△ |
やや短い |
やや長い |
茎葉の毛 |
△ |
やや少ないがバラつく |
やや多いがばらつく |
雄しべの数 |
O |
4-10 希に3
|
7以下 多くは5以下
|
開花時期 |
△O |
日当たりの良い場所なら
3月中旬頃から(南関東) |
日当たりの良い場所なら
2月下旬頃から(南関東) |
種子の形 |
◎ |
尖り気味の突起がある |
突起は鈍く、先がやや平 |
△ 参考になる程度 O グレーゾーンがある ◎ 判別できる
地域によって差はあると思いますが、よく言われる茎の色での判別は、あまり当てにならないことがわかりました。雄しべで確認したとしても、数の重なった部分があり、グレーゾーンが残ると思います。葯が落ちると見落としも出ます。
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左:ミドリハコベ 右:コハコベ いずれも径1mm弱ですが、
ルーペで違いを確認できます。(写真は合成したもの)