タマナルコユリ と近縁種の比較

タマナルコユリはのナルコユリとミヤマナルコユリの交雑種と言われます。一般に交雑種は部分ごとにどちらかの特徴を引き継ぐか、中間的な姿になると言われますので、比較してみました。


ナルコユリは茎は50cm以上あり、花は多く付き、ミヤマナルコユリは50cm前後で花は20-30個。
タマナルコユリはナルコユリに似て、茎は50cm以上あり、花も多数付く。パッと見もナルコユリだが、小型の個体の場合、見る角度によってはミヤマナルコユリに似ると感じることもある
ナルコユリは披針形~狭披針形で8-15cm。 ミヤマナルコユリは卵形~長卵形で6-10cm。
タマナルコユリはややミヤマナルコユリに似て、長卵形で6-8(10)cm、ミヤマナルコユリより心持ち幅が狭い。

ナルコユリは隆起して突起がある。 ミヤマナルコユリは小脈も含めて平滑で突起は全くない。
タマナルコユリはナルコユリに似て、小脈も少し隆起し、低い突起が見られるが、はっきりしないこともある。
ナルコユリは17-23mmで下に垂れ下がる。ミヤマナルコユリは花が小さく15-20mm、柄は長く、葉に沿って伸びる。いずれも柄に5個程度まで付く。
タマナルコユリは両者の中間で、花は20mm前後でナルコユリよりわずかに太く、5個程度まで付く。柄は左右に分かれるがナルコユリとほぼ同長程度で長くはなく、葉には沿わない。




(適当な写真がありません)
ナルコユリは花柄の基部は茎に合着せず、葉腋から伸びてループ状に下がる。ミヤマナルコユリは基部は茎に合着し、方向を変えて横方向に伸びる。
タマナルコユリは両者の中間で、基部は茎に短く合着するが、向き変えずに斜上し、ループして垂れ下がる


ナルコユリは花糸離生部が1/2弱で僅かに紡錘状。ミヤマナルコユリは離生部が2/3程度と長く、あまり膨らまない。
タマナルコユリはナルコユリに似て、1/2程度だがほとんど膨らまない。







花糸合着部


(上と同じ)
(上と同じ)
  花糸合着部はナルコユリはほぼ平滑。ミヤマナルコユリはこの部分に長毛が密生する。
タマナルコユリはどちらかというとミヤマナルコユリに似て、花糸合着部の上部付近には突起が見られ、下部には短毛が見られる。